星野唯月 引退10カウントゴング
試合開始前、元スターダムの星野唯月の引退セレモニーを行った。この日からちょうど4年前の2020年7月26日にスターダムを退団すると発表、同年9月28日のスターダム後楽園ホール大会を最後にプロレス界から遠ざかり、以降はホシノイツキ名義でアーティストとして活動していた星野。プロレスにしっかり区切りをつけたいと考えていた星野は、昨年冬に梅咲遥が所属するアイドルユニット・シロツメクサとライブで共演。音楽活動から生まれた縁で、ディアナでのセレモニーが実現した。
星野は現役時代同様、自身の入場曲を歌唱しながら最後のリングイン。退団後も「復帰は何度も考えた」「最後にコスチュームを着て10カウントを聞かせていただけるリングがあるなんて夢にも思っていなかった」と素直な思いを吐露し、星野のプロレスラーとしての最後の姿を見届けるべく集まったファンに感謝を述べた。その上でこのセレモニーは「前に進むため」のものであると説明。「未練がないと言えば嘘になります。ですがこれでもう後悔はありません。プロレスラーは心から尊敬できる方がたくさんいて、プロレスラーになれたことを誇りに思う」と、時折声を詰まらせながら語った。星野がマイクを置くと10カウントゴングが鳴らされ、梅咲と同じくシロツメクサのメンバーである實石亜也子リングアナウンサーが「154センチ、45キロ、リトルアイドル・星野唯月」と最後のコール。万雷の拍手の中、再び星野の入場曲が流れ、星野は深々と頭を下げてリングをあとにした。他団体で行う異例のセレモニーとなったが、会場に集まったファンは温かく星野を見送った。
なお、星野は8月のワンマンライブをもってアーティスト・ホシノイツキとしての活動も終了するという。
大会終了後、星野はセレモニーで着用したコスチュームを新台湾プロレスからの留学生・シャンシャンに託すことに。「白いコスチュームが似合うんじゃないかと思って。大切に着てあげてください」。星野の想いとコスチュームを受け取ったシャンシャンは日本語で「ありがとうございます」。シャンシャンの白いコスチューム姿にもぜひ注目してほしい。
第1試合 シングルマッチ15分一本勝負
ななみ vs シャンシャン
○ななみ(10分56秒 スリーパーホールド)シャンシャン●
シャンシャン、初のシングルマッチ!
オープニングマッチではシャンシャンが初のシングルでななみと対戦。シャンシャンの入場曲もお披露目となった。ゴングが鳴るとロックアップからの押し合い、ヘッドロックでクリスタル王者のななみが優勢に。ボディスラムで力強くシャンシャンをマットに叩きつけ、ボディシザーズ、サーフボードストレッチでいたぶっていく。超急角度の逆エビ固めをなんとかエスケープしたシャンシャンも負けじと喰らいついていき、強烈なエルボー。ななみは思わず「痛ぇ…」。しかし続くボディスラムは上げられないシャンシャン。ならばとランニングネックブリーカー。ななみは得意のタックルでシャンシャンを倒し、再び急角度の逆エビ固め。シャンシャンは絶叫しながらロープにたどり着くが、ななみがスリーパーで絞め落とし、若手王者らしく堂々の白星。
普段は身振り手振り、時に翻訳アプリを介しながら練習に励む2人。試合を通してさらに仲も深まった…はず!
第2試合 タッグマッチ20分一本勝負
香藤満月&優宇 vs 夏実もち&柊くるみ
●香藤満月&優宇(11分31秒 もっちりバディシザーズ)夏実もち○&柊くるみ
パワーvsテクニック!プロミネンス大暴れ!
第2試合は大迫力のぶつかり合い!パワーファイターの柊、試合巧者の夏実が「プロミネンス」タッグで登場。対する香藤は優宇とともに柔道経験者のヘビー級タッグ結成!まず先発した香藤と夏実。押し合いになるとそれぞれのパートナーも加勢し、いきなりど迫力バトルに!優宇が柊を蹴散らし、香藤は夏実に連続ボディスラム。タッチを受けた優宇は、角田夏実ばりに巴投げから腕十字に繋ぐ。夏実はすかさずエスケープ。ロープに逃げた夏実の腕をヘビー級のセントーンで潰す優宇。悶える夏実に香藤がすかさずボディプレス。夏実がモンゴリアンチョップで反撃し、柊にチェンジ。柊のタックルで赤コーナーまで吹っ飛んだ香藤。すぐさま優宇が飛び出し、タックル合戦へ。激しい肉弾戦は柊がリードしていく。しかし優宇が夏実もろとも柊をリング外へ落とし、みたらし団子で圧殺。苦悶の表情でリングに戻った柊に、優宇は逆水平チョップ。苦しむ柊に替わって夏実が入り、優宇も香藤にチェンジ。香藤は夏実をお腹で弾き飛ばし、95キロの体格を活かして腰を落とした逆エビ固め。ロープ逃げた夏実はプロミネンスの連携で香藤を蹴飛ばす。ならばと香藤と優宇も連携。香藤が優宇との約200キロおんぶプレスで夏実をぺちゃんこに。全く動けない夏実を柊がカットで救出。しかし起き上がれない夏実。そこに香藤がダイビングボディプレスを投下するが夏実は寸前で回避。苦しい展開の夏実に、柊がキャノンボールの助太刀。夏実がそこにリバーススプラッシュを落とし、形勢逆転。香藤のピンチに優宇がラリアットで柊に突撃するも、柊もラリアットで迎撃し相討ちに。香藤と夏実の一対一となり、夏実がもっちりバディシザーズでスリーカウント。「破壊力満点だったけど私の技術力が上だった」と語る夏実。柔よく剛を制した。
第3試合 シングルマッチ15分一本勝負
Himiko vs 世羅りさ
●Himiko(7分49秒 コンバイン)世羅りさ○
通販限定・サイン入りタオルは凶器?盾?宝物?
密かに世羅に憧れているというHimiko。なんと実際に通販で購入したという世羅のタオルを持って登場。それを見た世羅は「ワシのタオルや!通販でしか売ってないのに!」と驚きを隠せない。Himikoは本名で注文しており、世羅は気づかずサインまで書いて発送したのだという。ドヤ顔でタオルを見せるHimikoに、なぜか観客は拍手。今井レフェリーは「拍手いらないだろ…」とツッコミ。自身のファンとはやり辛いと言いながら、世羅はゴングを待たず突進。タオルを奪いHimikoをボコボコに。大切なグッズを取り返したHimikoは、タオルで世羅の首を絞める暴挙!さすがにレフェリーが制止したが、キレた世羅はエリザベス世代には辛い腰攻め。さらにHimikoの顔を踏みつけ、情け容赦なしの反則攻撃。Himikoはブルドッギングヘッドロック、ギロチンで反撃。世羅が強烈なエルボーでHimikoを倒すと、苦しみながらも立ち上がるHimiko。赤コーナーに戻り再び世羅りさサイン入りタオルを取り出して盾にし「殴れんのかよ!自分を!」。タオルには世羅の写真が鮮やかにプリントされており、「自分の顔は殴れない…」とまさかの窮地に陥る世羅。この機に「やったぜ!」とエルボーを打つセコいHimiko。しかし世羅は自らのグッズもろともHimikoにエルボー、膝蹴り、ニーアタックにニードロップと猛攻。世羅いわく、自分の顔が一番殴れるらしい…。全く役に立たなかったタオルを投げ捨て、正々堂々と戦うHimiko。「捨てんのかい!何がしたいんじゃ!」とブチギレの世羅に、Himikoは河津掛けからHIGAMIクラッチへと流れるように繋ぎギブアップを迫る。エスケープした世羅に丸め込み連発で追い討ちをかけていくHimikoだが、巧みに切り返した世羅がコンバインでギブアップに追い込んだ。
試合後は控室で憧れの世羅とちゃっかりツーショットを撮ったHimiko。さらにタオルには「Himikoさんへ」の文字が書き加えられたのだった…。
第4試合 タッグマッチ20分一本勝負
梅咲遥&美蘭vsマコトユマ&炎華
○梅咲遥&美蘭(13分10秒 キューティースペシャル)マコトユマ●&炎華
美蘭vs炎華、バチバチファイト!
メインイベントは梅咲と美蘭がお揃いのリボンで華やかに登場。マコトは同期で新POP王者の炎華と10代コンビを結成した。
まずは新POP王者の炎華と美蘭がハイスピードな攻防。女子プロレスの明るい未来を感じさせるフレッシュファイトを展開した。炎華はドロップキックで美蘭を吹っ飛ばしマコトにチェンジ。ディアナ入門前は高田道場でレスリングの練習に励んでいたマコト。レスリング仕込みのタックルやローリングで攻めていくが、中学3年生ながら先輩の美蘭がヘアホイップで豪快にマコトを投げ飛ばして梅咲にチェンジ。梅咲は弓矢固め、美蘭とのWドロップキック。再び美蘭とマコトのマッチアップに。マコトもボディスラムで反撃し、美蘭の膝を狙った低空ドロップキックで流れを作って炎華にチェンジ。美蘭と炎華は闘志むき出し、バチバチのエルボー合戦。炎華がスペースローリングエルボー、ドロップキック、STFと攻めていき、マコトがしっかり梅咲を押さえる。美蘭の足がどうにかロープに届き、619で逆襲。炎華がドロップキックを打てば美蘭もドロップキック、炎華が丸め込めば美蘭も丸め込む。美蘭の横十字からブリッジでフォールする「Mロールクラッチ」はカウント2.99でマコトがカットに入り、すると美蘭はすかさずライオンサルト。これをかわした炎華はドロップキック。スピンキックで炎華の側頭部を撃ち抜いた美蘭は梅咲にチェンジ。梅咲が滞空時間の長いブレーンバスターで炎華をマットに叩きつけたが、これもマコトがカットに入る。炎華はミサイルキックを発射しマコトにチェンジ。マコトは気迫の連続ドロップキック、しつこい押さえ込みでシングル王者に立ち向かう。炎華がティヘラで助太刀し、マコトは逆さ押さえ込み、飛行機投げと続けていくがシングル王者の牙城は崩せず。炎華がジャパニーズレッグロールでまたも加勢、マコトがすかさず丸め込んでも美蘭のカットが間に合う。美蘭が2人まとめてクロスボディでなぎ倒し、炎華をリング外へ道連れに。炎華を美蘭が場外で押さえる隙に、梅咲がキューティースペシャルで勝負を決めた。
美蘭がマイクを持ち、「炎華選手とは仲が良いからこそ、絶対に負けたくない。まだ1回しかシングルしたことないけど、またシングルやりたい。お願いします」と、好勝負を繰り広げた炎華に握手を求め、炎華も応じる。PURE-Jの若手王座・プリンセスオブプロレスリングを奪取したばかりの炎華とのシングルマッチが実現となれば、さらなる熱戦に期待がかかる。
美蘭は続けて「遥さんが決めて、自分が決められなかったことも悔しいし、試合の内容も反省ばっかりだけど、何よりも今日のお客さんの人数はめちゃくちゃ悔しいです。月1回しかないフューチャーサイト。次の大会までに自分はもっともっと練習して、強くなってみせるので、次のフューチャーサイトは絶対に観にきてください。次は満員にするぞ!」。戦うたびに成長を遂げる美蘭。さらに強くなった美蘭を観に、ぜひ次回フューチャーサイトへお越しください!