会場:シェルターなんようホール(山形県南陽市三間通430-2)
観衆:354名(超満員札止め)
オープニングセレモニー
新幹線の運休や山形県内での興行戦争が発生する中、超満員札止めとなった京子凱旋大会。大会前には、オープニングセレモニーが行われた。井上京子が白岩孝夫南陽市長へ寄付金をお渡しすると、南陽市からディアナへ名産品である佐藤錦のプレゼント!超満員の客席から温かい拍手が響く中、大会がスタートした。
第一試合 シングルマッチ20分一本勝負
香藤満月vs NØRI
●香藤満月(11分37秒 片エビ固め)NØRI ○
※RINOスラッシュ
LLPW-XからNØRIがディアナ初参戦!NØRIはかつて一度はプロレスを離れたものの、井上京子の盟友・井上貴子の元で復帰。初登場にして京子凱旋大会のオープニングを務めることとなった。迎え撃つのはディアナ所属の香藤。クリスタル王座への挑戦も決まっているだけに、若手同士の対戦で負けるわけにはいかない。
まずはロックアップから一気の出足で香藤がNØRIを押し込む。香藤は97キロの体重を活かしてNØRIをぺちゃんこに。NØRIをギブアップ寸前まで追い込む。対するNØRIは軽やかな動きで香藤を翻弄。もうすぐ27歳の誕生日を迎える香藤をロープにはりつけ、27発キックでお祝い…は、レフェリーの反則カウントで17発でストップ。ヘアホイップやボディスラムは香藤が重すぎて上がらず未遂に終わると、香藤がヒップドロップやボディプレスでパワフルに反撃。ダイビングボディプレスはかわされたもののスクールボーイで丸め込む香藤。NØRIはこれを関節技に切り返す。NØRIが腕十字で香藤を捕獲したがすぐさまロープエスケープした香藤。ボディアタック、ドロップキック、どっしりと腰を落とした逆エビ固めでNØRIを逃がさない。しかし体の柔らかいNØRIは香藤がリング中央へ引きずる隙をついてエビ固めに切り返す。カウント2に終わるも、ここからNØRIが打撃攻勢に出る。ヒザ連発をお見舞いし、トドメのRINOスラッシュで初参戦を白星で飾った。
第二試合 衣装屋cosmo協賛
シングルマッチ20分一本勝負
笹村あやめvsデビー・カイテル
△笹村あやめ(14分49秒 両者リングアウト)デビー・カイテル△
デビーは来日前から笹村と親交があり、一緒にディズニーランドに行く約束もしているのだとか。この試合で負けた方がチケットを買うらしい…?
デビーはいつも通りレフェリーチェックを拒否するが、厳格なオッチー司レフェリーは試合開始前にも関わらず反則カウント!これにはたまらずチェックを許したが、デビーの強烈な個性を印象付けた。デビーは握手を求める笹村の手を蹴飛ばし、ゴングが鳴るとコーナーや引っ掻きなど反則を繰り返し、レフェリーの反則カウントが早いとイチャモンをつける。こうして試合のペースを握ったデビー。笹村は場外へ脱出し、追ってくるデビーのコーヒーミストを警戒して逃げ回る。転んだフリをして笹村を捕まえたデビーは張り手をお見舞い。リングに戻ると、やりたい放題のデビーに対し、レフェリーが超高速カウントであわや反則負けの場面も。ならばと正攻法でブレーンバスターやWニーアタック、続く低空ドロップキックでまたも笹村をリング外へ。デビーは笹村を会場から追い出しドアを封鎖し、レフェリーに場外カウントを指示。しかし笹村は別のドアから帰還。リングに戻った2人はようやく真っ向勝負!笹村がブレーンバスター、えびす落としを豪快に決める。笹村のダイビングフットスタンプをかわしたデビーがコブラクラッチで絞るが、笹村はじわじわとロープに近付きエスケープ。ラリアットや投げっぱなしジャーマンにタックルとパワフルファイトを見せる笹村。笹村が突進してくるデビーをかわすと、デビーは場外へ落下。そこに笹村はエプロンからダイブ!両者ダウン状態になるが、先に起き上がったのは笹村。デビーの髪を掴んで起こし、これまでの鬱憤を晴らすように会場の壁に打ち付ける。デビーもビッグブーツで応戦。3度目の場外戦は激しさを増し、2人が暴れ回るうちに場外カウントは進んでいく。ファンやセコンド陣が「戻れ!」と叫ぶ中、関係ないとばかりに両者さらにヒートアップ。ついに場外カウントが20に到達し、決着つかず。日本での再会はまさかの結末となった。チケット代は各自で負担となりそうだ…。
第三試合
デワプロ提供試合 6人タッグマッチ30分一本勝負
愛澤No.1&Greed&西崎雄鬼vs吉岡世起&メリー ザ キッド&YAMASE
愛澤No.1&●Greed&西崎雄鬼(11分57秒 片エビ固め)吉岡世起○&メリー ザ キッド&YAMASE
※スワントーンボム

山形大会ではお馴染みのデワプロ提供試合で、世界ジュニアヘビー級王者・吉岡世起がディアナ初参戦だ。その吉岡と愛澤が先発。愛澤は吉岡に「せいちゃん、ご指名ありがとうございます」と握手を求めると吉岡は「チェンジで…」。なかなか引き下がらない愛澤に渋々応じた吉岡だが、やはり愛澤が蹴りを入れて先制攻撃を仕掛ける。愛澤に西崎が、吉岡にメリーがそれぞれ自らタッチしリングに入ってチョップ合戦。西崎をコーナーに連行し、メリーに替わってYAMASEが登場。西崎もお返しするようにYAMASEをコーナーに連行。西崎とGreedの合体技をお見舞い。愛澤、西崎も代わる代わるにYAMASEをいたぶる。ローンバトルを強いられ苦しい展開のYAMASEはブレーンバスターで西崎をぶん投げ、ようやくピンチ脱出。替わってGreed対吉岡に。吉岡は多彩なキックで勝負に出るが場外に落とされてしまい、そこにGreedが美しいライオンサルト発射。リングに戻ると2人の攻防は激しさを増す。吉岡のみちのくドライバーIIは愛澤と西崎のカットが間に合うが、吉岡は続いて華麗なスワントーンボムでがっちりフォール。この一撃でスリーカウントを奪った。世界ジュニアの力を山形のファンに存分に見せつけた。
セミファイナル タッグマッチ20分一本勝負
羽多乃ナナミ&網倉理奈vs井上貴子&シャンシャン
○ 羽多乃ナナミ&網倉理奈(14分1秒 ノーザンライトスープレックスホールド)井上貴子&シャンシャン●
タッグ王者組「にじゅうまる」が山形に登場!対するは京子の盟友・井上貴子と台湾からやってきたシャンシャンの異色タッグ。
まずはナナミとシャンシャンがロックアップからの押し合い。ナナミがシャンシャンを押しきってクリーンにブレイク。シャンシャンは巻き投げから低空ドロップキックで対抗し貴子にチェンジ。貴子はベテランのテクニックでナナミの動きを封じ、優位に試合を進める。エスケープしたナナミはダイヤル固めで大回転し、ようやく網倉にチェンジ。逆片エビをエスケープした貴子はDDTで網倉の脳天をマットに叩きつけてシャンシャンにチェンジ。シャンシャンはWわー!プレスを被弾したが自力で肩を上げ、磨いてきたドロップキックを突き刺す。シャンシャンからタッチを受けた貴子にも、にじゅうまるの連携攻撃が炸裂。しかしナナミのノーザンライトは貴子が持ちこたえ不発に。ならばとナナミはタックルで貴子をなぎ倒す。コーナーに上ったナナミを投げ落とした貴子はシャンシャンにチェンジ。貴子は網倉を場外へ投げ捨て、ナナミを捕まえシャンシャンのダイビングボディアタックを強力アシスト。シャンシャンがスリーパーで捕まると貴子がすぐさまカット。シャンシャンも丸め込み攻勢でナナミを追い詰めていくが、タッグ王者が意地で肩を上げ続ける。成長ぶりを見せつけるシャンシャンだが、ナナミも王者らしく成長した姿をアピールだ。ナナミがノーザンライトスープレックスで鮮やかに弧を描き、勝負を決めた。
メインイベント
秀電社、有限会社白岩新聞店、桜井歯科医院、龍上海、Lounge eagle、結城酒店 協賛
井上京子凱旋試合 スペシャル6人タッグマッチ30分一本勝負
井上京子&アジャコング&加藤園子vs佐藤綾子&梅咲遥&Himiko
○井上京子&アジャコング&加藤園子(13分26秒 ナイアガラドライバー)佐藤綾子&梅咲遥&Himiko●
ディアナ恒例行事の井上京子凱旋興行。メインを締め括るのはディアナ所属の3人に、11月に引退する加藤園子、大ベテランのアジャコング、そして山形が生んだ女子プロレス界のスター・井上京子だ。選手入場の前には井上京子が出演した秀電社のCMが上映され、大会スポンサー企業をしっかりPR。
6人の選手が華やかに入場すれば、ファンからは歓声。先発は京子と梅咲。ゴングが鳴ると客席からは京子コールが発生。かき消すようにディアナの3人が京子に総攻撃を仕掛け、トリプルドロップキック。後輩からの集中砲火をものともしない京子はHimikoを捕まえ豪快なヘアホイップにモンゴリアンチョップ、エルボーをお見舞いしてアジャにチェンジ。アジャ相手に果敢に向かっていくHimikoだが、やはり世界の超獣の怪力には敵わず。アジャは佐藤と梅咲も逆水平チョップで次々になぎ倒して加藤にチェンジ。キャリア30年の加藤は山形県での試合は意外にも初だという。引退前にその強さを山形のファンに見せつけたいところだ。加藤が得意のキックやギロチンでHimikoをいたぶっていくが、Himikoもやられっぱなしではいられない。ブルドッギングヘッドロックにギロチンを続けて反撃。替わって梅咲と佐藤が息ぴったりのWドロップキックにWブレーンバスター。梅咲が鮮やかなドロップキックで追撃すると、加藤はキャノンボールで反撃し、さらにアジャとのWキック。ベテラン軍の猛攻を受けた梅咲は、アジャに得意のエルボー速射砲で対抗するが、アジャはビンタ一発で梅咲を黙らせる。梅咲がミサイルキック、替わった佐藤もミサイルキックでアジャを攻撃。佐藤はおぼん攻撃やジャンピングニー、アジャは裏投げと激しい攻防からアジャは京子にチェンジ。佐藤は京子のラリアットをかわすと強引なジャパニーズレッグロールクラッチで形を崩しながらもフォール。京子は自力で返し、ナイアガラの構え。慌てて飛び出したHimikoと梅咲が阻止し、事なきを得た佐藤が投げっぱなしジャーマン。佐藤からタッチを受けたHimikoが連続ギロチン投下。河津掛けからダイビングギロチンも投下するが、これも京子が自力キックアウト。再びトップロープへ向かうHimikoを雪崩式ブレーンバスターでぶん投げ、観客の度肝を抜いた京子。再びのナイアガラ宣言だが、佐藤が京子の脳天におぼんでぼーん!。するとアジャも一斗缶で佐藤と梅咲の脳天を殴打して排除。加藤のダイビングギロチンドロップ、アジャのダイビングエルボードロップがHimikoを襲い、京子の凱旋勝利をお膳立て。京子はパートナーの、そして地元ファンの期待に応えるように、自身の代名詞・ナイアガラドライバーでHimikoを仕留めた。
白岩南陽市長から勝利者賞を受け取ったアジャは「今年はちゃんと貰えた!これを貰うためにどんだけ市長と戦ったことか…やっとだよ!」と3年がかりでゲットしたさくらんぼをアピール。山形名物となっていた(?)市長とのバトルは、今年は平和的解決。笑顔で記念撮影にも応じた。「たくさんのお客様、本当にありがとうございました」とマイクでお礼を述べた京子。ジャガー横田のモノマネを交えながら、ジャガー不在の理由は他団体参戦であることを明かし笑いを誘う。加藤は最初で最後の山形県ということで「参戦させていただいて、こんなにたくさんの皆さんの前で試合ができて、本当にありがとうございました。引退前に夢が叶いました」と感謝の気持ちを語り深々と頭を下げた。次回の京子凱旋興行はアジャは参戦、加藤は客席で応援することを誓った。京子の「本当にありがとうございました!」の言葉で大会終了。笑顔の大団円となった。