練習生・アンナ 公開プロテスト
練習生・あんなが三度目のプロテストで合格を勝ち取った。
一度目は愛知県出身ということもあり、名古屋大会で受験。二度目は7.13アミスタ。二度目の不合格の際には、井上京子から「前回より劣ってる」「何のために名古屋から出てきたの」と厳しい言葉も…。それでも折れることなく、三度目の受験を迎えた。
メニューは前回と同様、腕立て伏せや腹筋に背筋、スクワットといった基礎体力テストを各100回。辛い場面も元気よく乗り切ってみせた。続いて回転ブリッジに3種類(前方回転、前受身、後受身)の受身。そして”1分半”と呼ばれる受身30秒にロープワーク30秒、もう一度受身30秒というハードなメニューの後、ラストは美蘭とのスパーリング。2分間で美蘭から二本取られてしまう苦しい展開だったが懸命にもがき続け、見ていた選手たちからも「負けんな!」「返せ!」「一本取ろう!」と声が飛んだ。約30分のプロテストを追え、大会がスタート。結果は全試合終了後に発表されることとなった。
メインイベントが終わると、あんな、ジャガー横田、そして激闘を終えたばかりの京子がリングに登場。京子は「結果を発表します。よくがんばりました。合格!前回は声が全然出なかった。 今回は人が変わったように声も出てたし、とても成長したと思います」と評価し、笑顔で合格を告げた。ジャガーも「まだ頼りないけど試合をやりながら強くなっていくと思うので期待します。もっと強気に。変わってきたから、変われると思う。おめでとう」と今後の精神面での成長にも期待を寄せた。 そして京子から、まさかまさかの重大発表が!「社長権限で考えてることがありまして…。1人で3回も受けたということは、それだけ長い時間トレーニングしてきたということ。10月5日の後楽園、早いとは思うんですけども…デビューさせたいなと。選手を1人でも増やそうと思ってます。華々しくデビューしたいよね?10月5日、デビューさせます!」と、なんとビッグマッチでのデビュー決定!プロテストでは躓いたものの、乗り越えてきたあんな。早くも2週間後にはプロレスラーとしてのスタートを切る!みなさん、応援よろしくお願いします!


第1試合 シングルマッチ15分一本勝負
羽多乃ナナミ vs クームー
◯羽多乃ナナミ(10分57秒 TKO)クームー●
※胴絞めスリーパーホールド
第一試合はINVA最年少のクームーと打倒・INVAに燃えるナナミのシングルマッチ。いつも通り、今井レフェリーのチェックを拒絶するクームー。ナナミは「なんだあの態度、新人のくせに」と苛立ちを隠せない。ゴングが鳴ると、19歳にして約6年のキャリアがあるナナミがテクニックで圧倒。長身のクームーを軽々と持ち上げ、ボディスラムで叩きつける。さらに逆エビ固めでギブアップを迫るが、クームーの長い腕がロープに届く。エスケープしたとはいえスタミナを削られたクームー、ここまで息ひとつ切らさないナナミ。クームーがエルボーの打ち合いを挑むと、ナナミも手応えを感じた様子。力強いエルボーをお返しし突進するが、クームーがビッグブーツで迎撃。だが追撃を許さないナナミが豪快にボディスラム。再びの逆エビ固めで厳しく絞っていく。セコンドのHimikoに導かれロープにたどり着いたクームーだが、ナナミは「全然だめじゃねーか」とまだまだ余裕綽々。クームーは顔面蹴りやクロスボディで一矢報いるが、リング中央でのスリーパーに悶え苦しむ。170センチの長身でどうにかエスケープしたクームーが丸め込み攻勢で逆転を狙うが、ナナミの牙城は崩せない。胴締めスリーパーでクームーを捕まえたナナミは今度こそエスケープさせず絞め落とした。
第2試合 タッグマッチ20分一本勝負
ジャガー横田&香藤満月vs佐藤綾子&デビー・カイテル
◯佐藤綾子 & デビー・カイテル(16分18秒、飛びつきジャパニーズレッグロールクラッチ)ジャガー横田 & 香藤満月●
2週間後の後楽園大会では2度目の防衛戦が待っているカフェイン&クラッシュ。対角には佐藤にとってCRYSISの恩師ともいえるジャガー、そして元気印の香藤が異色タッグだ。まず佐藤と香藤が先発すると、香藤が大きな声と大きな体で攻めまくる。そして香藤からジャガーにチェンジすると、ジャガーはデビーを指名。普段は暴走ファイトのデビーでも、大ベテラン・ジャガーにはビビりまくり…。怯えるデビーの髪を掴んで振り回し、コーナーに追い込んで顔面蹴りと、デビーを凌駕する暴走ファイトのジャガー。サミングでデビーの目を潰し、香藤とのW攻撃にコブラツイスト。ジャガーが久々アミスタ参戦で暴れまわり、デビーは悲鳴!さらに香藤もボディプレス、クロスボディ、セントーンと恵まれた体格で猛攻。デビーはラリアットで反撃の狼煙を上げ、今井レフェリーの死角をついて引っ掻き攻撃。香藤は「ジャガーさん!助けて!」とSOS。だがジャガーは「助けないから自分でやれ」と愛のムチ(?)。何とか脱出した香藤がジャガーにタッチ。デビーの苦しい展開が続くが、佐藤のアシストでラリアットやジャンピングニーの打撃で勝負。ようやくデビーから佐藤にチェンジし、佐藤もジャンピングニー。佐藤が佐藤トランペットでジャガーをぶん投げるが、ジャガーはカカト落としに浴びせ蹴りで逆襲。タッチを受けた香藤がダイビングボディプレスを投下するが、佐藤がかわして自爆に。香藤は「ジャガー!おんぶ!おんぶーー!!」とジャガーとのおんぶプレスを試みるが、ジャガーがこれを嫌がり結局単独でプレス。それでも充分な破壊力だ。香藤のカナディアンバックブリーカーを脱出した佐藤はタンブラーやおぼんで香藤を殴打。そしてミサイルキックで香藤を吹っ飛ばし、立ち上がった香藤に素早く飛び付いてジャパニーズレッグロールクラッチでスリーカウント。敗れた香藤は佐藤、デビー、そしてなぜかジャガーの3人からタコ殴りに…。とにもかくにも、カフェイン&クラッシュが異色タッグ撃破で防衛戦に弾みをつけた。
第3試合 6人タッグマッチ20分一本勝負
梅咲遥&美蘭&咲蘭vs Himiko&夏実もち&櫻井裕子
◯梅咲遥 & 美蘭 & 咲蘭(16分28秒、ラ・マヒストラル)Himiko●&夏実もち & 櫻井裕子
梅咲率いる若者チームと、Himikoを筆頭に大人の魅力あふれるトリオが激突!久々の参戦となった咲蘭につられて普段は優等生な美蘭が「おばさん出てこいよ」と煽ると、大人チームは”おばさん”を擦り付け合う…。はやくも亀裂が入る大人チームは最年長のHimikoが先発を押し付けられたが「おばさん…?じゃあ、私は違うよね」とすっとぼけているうちに、若者チームの奇襲を受けてしまう…。夏実が美蘭の手を踏みつけながら10月11日の自主興行をPR(※ディアナからは美蘭が参戦しますのでよろしくお願いいたします!)して反撃開始。Himikoと櫻井も加わって大人げなく美蘭に集中砲火。美蘭はスイングDDTでピンチを脱出して咲蘭にチェンジ。口の悪い咲蘭が「ババア!」と暴言を吐くと、優しい今井レフェリーが「ババアじゃない」と諭す。全く聞く耳もたず咲蘭が若さ溢れるファイトで会場を盛り上げ、梅咲とともにおてんばダッシュ。やられっぱなしの櫻井にHimikoが「ガキを潰せ!」と発破をかけるも、咲蘭の勢いは止まらず。櫻井がボディスラムで咲蘭をマットに叩きつけ、ようやく夏実にチェンジ。夏実とHimikoが連続ギロチンで咲蘭を黙らせる。咲蘭から美蘭にチェンジすると、美蘭が軽やかな連続ドロップキックや619に回し蹴りで猛攻。だがボディスラムは上げられず、夏実の串刺しボディアタックの餌食に。ここから夏実が反撃開始…と思いきや、Himikoが「自分が仕留めるから、早く帰ってこい」となぜか上から目線でタッチを要求。夏実は「お前は一生黙って見てろ」と一蹴。2人の息の合わなさは相変わらずだ…。一方、美蘭は咲蘭と息ぴったりの連携攻撃を披露。そして夏実がHimikoにタッチし、クリスタル世代の美蘭とエリザベス世代のHimikoによる同期対決に。Himikoが美蘭にサソリ固め、櫻井が梅咲にコブラツイスト、夏実が咲蘭にアルゼンチンバックブリーカーで若者達の動きを完封!堪えきった美蘭は逆襲のクリストでHimikoを絞るが、Himikoが美蘭をコーナーに叩きつけて脱出。ブルドッギングヘッドロックとギロチンをお見舞いする。このピンチにまたも美蘭咲蘭のWドロップキックが炸裂!美蘭がここまでほぼ出番のなかった梅咲にチェンジし、真打ち登場!「よっしゃ、試合するぞー!」と気合いを漲らせる。まずは挨拶代わりのミサイルキック。Himikoは櫻井のビッグブーツにレッグシザーズネックロックを繋ぎ、剥がしたテーピングで首絞め。若者チームも咲蘭の619に梅咲の低空ドロップキックを続け、さらに梅咲がキューティースペシャルで鮮やかにブリッジする。しかし夏実がムチ攻撃でカット。そして梅咲のエルボーが美蘭に誤爆してしまい、このチャンスにHimikoがヨーロピアンクラッチ。これを返した梅咲は電光石火のラ・マヒストラルで勝負を決めた。負けたHimikoに夏実は「何やってんだババア!」とブチギレ!Himikoは「お前もババアだろ!」と逆ギレ。なお、梅咲遥(24)も美蘭(16)咲蘭(16)からババア認定されてしまったらしい…?女子プロレスは、幅広い年齢層の女性が輝く素敵な世界です!
第4試合
W.W.W.Dエリザベス選手権試合
[王者]井上京子vs [挑戦者]本間多恵 vs [挑戦者]世羅りさ
※第19代王者 5回目の防衛戦
※現王者・京子の承諾により、40歳未満の本間と世羅の「繰り上げエリザベス」挑戦が決定。

[王者]◯井上京子(11分25秒、エビ固め)本間多恵●[挑戦者]
※パワーボム
※あと1人は世羅りさ
※第19代王者が5回目の王座防衛に成功
井上京子の保持するW.W.W.Dエリザベスは、40歳以上の選手が挑戦できる3WAY王座。今回は井上京子の粋な計らいで39歳5ヶ月の本間多恵と33歳10ヶ月の世羅りさが”繰り上げエリザベス”として特別挑戦!引退が決まっている2人は、エリザベスへ最初で最後の挑戦となる。
ゴングが鳴るとまずは3人で手四つならぬ手六つでの力比べ。やはり京子が圧倒し、ならばと本間と世羅は結託して京子に向かっていく。それでも京子がラリアットで2人まとめてなぎ倒し、さらに負傷している世羅の膝へ集中攻撃。特別挑戦を認めたとはいえ、勝負に徹して相手の弱点をしっかり攻めていく京子。1人で2人を相手に大暴れだ。本間はスリーパーでギブアップを迫るが、京子は本間をコーナーに叩きつけて逃れる。世羅は京子と手を組んで本間をターゲットにするが、いざとなると京子を盾にして本間をフォールする狡猾な戦いぶりで翻弄する。勢いに乗って膝の負傷により封印しているWニー発射準備…だがセコンドの夏実もちからストップがかかる。対戦相手の本間でさえ「ニー使うなよ!ダメだろうが!」とお説教。世羅は「もうできそうな感じがするんだ!」と怒りのエルボー。さらにセラリズムバスターをお見舞いする。揉めている2人に割って入る京子がラリアットで突進すると、世羅がひらりとかわし夏実がムチで攻撃し、世羅がキックで追撃。そこに本間が飛び込んで2人まとめて丸め込む。2人がカウント2で返すと、京子は世羅に今度こそのラリアット!しかし倒れた世羅をフォールするのは本間だ。京子があわててカットする。本間がトップロープに上ると京子が雪崩式ブレーンバスターでぶん投げ、本間はリング中央で大バウンドし対角コーナーまで吹っ飛んでいく。そして世羅が京子にフォール!やはり狡猾に貪欲に勝ちに行く世羅だが、今度は京子との真っ向勝負。エルボーの打ち合いを挑む。京子は「痛くない!」「最後だ!来い!」と世羅の全力を全力で受け止め、お返しのラリアット1発で世羅を倒す。続いて本間も京子に力いっぱいエルボーの乱れ打ち。京子は「まだ!最後!まだ受けれる!」 と気力で全て受けてみせ、逆襲のラリアット。何度も何度も戦ってきた相手であり、あと何度戦えるか分からない相手でもある。そんな3人の想いがリングで激しくぶつかり合う。エプロンにいた世羅も豪快なラリアットで場外へ落下させ、いよいよ京子と本間の一騎討ち。トドメは京子がパワー全開のパワーボムで本間を下し激勝!目標の7回防衛まであと2に迫る、V5の白星となった。
マイクを持った王者はたった一言、「本間さん、世羅さん、ありがとう」。短い言葉に全てを込めた。そして2人とそれぞれ抱擁し涙。「まだ早いけど泣いちゃった…」と、リングを去っていく後輩達への思いを素直に吐露。バックステージでも「本当に感謝です。世羅さん、本間さん、ありがとうございました。引退まで怪我のないように頑張ってもらいたいし、今日当たれて良かったです」と挑戦者への感謝の言葉を何度も口にしていた。
そして今後については、「やりたい相手」として宮崎有妃と渡辺智子の名前を上げた。特に宮崎には4.27後楽園でのハードコアシングルマッチで敗れているだけに、ベルトをかけてのリベンジに燃える。正式決定すれば、激戦必至の好カードだ。井上京子、V7までまだまだ頑張ります!
