第0試合 練習生公開スパーリング
ミレイ(0-0)アンナ
まずは第0試合として、練習生のミレイとアンナによる2分二本勝負の公開スパーリングを行った。既にプロテストを通過しているミレイ、7月に2度目のプロテストを控えるアンナ。それぞれの意地を見せ、練習の成果を発揮。両者とも一本も取れず、取らせず、互角の戦いとなった。合計4分間、最後まで懸命に動き続けた2人には、第0試合からアミスタに集まったファンから温かい拍手が送られた。
第1試合 タッグマッチ20分一本勝負
佐藤綾子&デビー・カイテルvs Himiko&香藤満月
佐藤綾子&◯デビー・カイテル(16分54秒 体固め)Himiko&香藤満月●
※エスプレッソ
メイン以外は全員ディアナ!そんな大会のオープニングには佐藤とデビーの危険なタッグ“カフェイン&クラッシュ”が登場。
手四つの体勢から力比べになると、97キロの香藤が圧倒。デビーは佐藤にヘルプを要請するが「No thank you…」。香藤がそのままデビーを押しきり、デビーは首ブリッジで耐える。香藤が乗るとデビーは潰れてしまう。香藤が重さを活かしてデビーをひたすらぺちゃんこに。乗っかっただけでデビーを窮地に追い込んだ香藤はHimikoにチェンジ。今度はHimikoが得意のヒザ攻め。大ピンチのデビーは「Oh my god…」。噛み付いて脱出したデビーはエルボーをお見舞いしてようやく佐藤にチェンジ。佐藤は卓越したテクニックでHimikoの動きを封じ、試合の主導権を握る。Himikoはもがきながらどうにか逃げ出し、香藤にチェンジ。香藤は佐藤にも体重を浴びせていくが、佐藤が上手く捕まえカフェイン&クラッシュが香藤へ猛攻。香藤も串刺しバックエルボーやタックルで対抗するが、カフェイン&クラッシュは反則攻撃であっという間に形勢逆転。香藤からのタッチを受けたHimikoはギロチンを連続投下。佐藤はHimikoの河津掛けをビクトル投げからのヒザ十字に切り返し、佐藤トランペット、低空ドロップキックと連続攻撃。このフォールを返したHimikoは今度こそ河津掛け。Himikoがセカンドロープに上ったところで、デビーが佐藤におぼんをナイスパス。おぼん攻撃でHimikoをコーナーから落下させ、今井レフェリーの「何の音?」に「I don’t know…」とすっとぼけ。続いてデビーも串刺しラリアットに背後からのスライディングエルボーと続けていくがカウント2。Himikoはルチャの動きを取り入れたという連続の丸め込みで反撃し、返したデビーはブレーンバスター。これを返したHimikoはバックドロップ。ここでHimikoから試合を託された香藤だったが、佐藤が見事なタイミングでおぼん攻撃。佐藤とデビーのサンドイッジャンピングニーを食らった香藤を救出するHimiko。こちらも連携で応戦していくが、デビーはしぶとく肩を上げ、エスプレッソで勝負を決めた。
第2試合 タッグマッチ20分一本勝負
井上京子&ジャガー横田vs梅咲遥&羽多乃ナナミ
井上京子&◯ジャガー横田(13分44秒 エビ固め)梅咲遥●&羽多乃ナナミ
※ジャックナイフを切り返して
女子プロレス界の重鎮・ジャガー横田と井上京子がタッグを結成。絶対センター・梅咲遥と次世代エース・羽多乃ナナミによる“えーがた”がレジェンド超えに挑む!
まずはロックアップからの押し合い。めきめきと力をつけてきたナナミだが、井上京子はロープ寸前で踏み止まり、ナナミを押し返していく。京子がナナミをロープに押し込んだが、ナナミは力強いエルボーで反撃。梅咲がドロップキック、ナナミがタックルで突撃していくが京子は倒れず「まだまだ早ぇんだよ!」。ならばとナナミがスリーパーで絞り梅咲がドロップキック、ナナミがキャメルクラッチで捕まえ梅咲がドロップキックと、えーがたの連携で立ち向かう。それでもカウント1で肩を上げる京子。京子からジャガーにチェンジし、アミスタには限定参戦となっているジャガーはルール無視の反則三昧で大暴れ!梅咲はミサイルキックを一発放ちナナミにチェンジするが、代わったナナミもジャガーの反則の餌食に。ナナミはタックルやエルボー、ノーザンライトスープレックスと正攻法での真っ向勝負。ジャガーからタッチを受けた京子はナナミとのタックル合戦に。激しいぶつかり合いは京子に軍配。「倒れねぇぞ!」「なめんなよナナミ!」と声を荒げる京子。奮起したナナミは渾身のタックルでついに京子を倒してみせ、間髪入れずにダイビングボディプレスを投下。さらに梅咲がミサイルキックを発射し、得意のエルボー連射やドロップキック、梅スプラッシュで畳み掛ける。これでも京子はスリーカウントを許さず、ラリアットをお見舞い。京子からジャガーに替わり、梅咲は充分な助走からエルボーを打っていき、カウンターのキューティースペシャルやジャーマンスープレックスホールドと猛攻。これを京子にカットされてしまったえーがたは京子をターゲットに。試合権のない京子は「私関係ない!」と抵抗。「関係ないって言ってんだろ!」と両腕のラリアットでえーがた2人を返り討ちに。さらに京子がナナミを、ジャガーが梅咲を雪崩式ブレーンバスターでぶん投げ、レジェンドによる豪華な共演となった。梅咲はカウント2で返し、レジェンド2人をネックブリーカーでなぎ倒し、ジャガーに切れ味抜群のジャックナイフで飛びかかる。しかしカウント2でエビ固めに切り返すジャガー。ジャガーが足で梅咲の肩をしっかり押さえつけ、スリーカウント!百戦錬磨のジャガーが勝負強さを発揮した。ナナミは茫然。京子は「負けたかと思った…」と胸を撫で下ろす。センターも次期エースもはねのけたベテランは、まだまだ高い壁だ。
第3試合 W.W.W.Dシングル選手権試合 30分一本勝負
[王者]世羅りさ vs 小林香萌[挑戦者]
◯[王者]世羅りさ(13分33秒 片エビ固め)小林香萌[挑戦者]●
※羅紗鋏
※第21代王者 2度目の防衛に成功
メイン以外は全員ディアナ…そんな大会のラストを飾るのはW.W.W.D王者・世羅りさと小林香萌による11年ぶりのシングルマッチ!ディアナ所属にとっては外敵王者に外敵挑戦者が続く由々しき事態ではあるものの、プロレスファンにとっては名勝負間違いなしの好カードだ。
ビッグマッチでの対決を望んだ小林だったが、ディアナでのビッグマッチはしばらく開催予定が無く…渋々アミスタでのタイトルマッチを承諾。お馴染みのタンクトップには「川崎の後楽園」の文字を一筆入魂。たとえどこのリングでも、聖地・後楽園と同じ気持ちで臨む。王者の世羅は来年1月で引退することを決めており、世羅の防衛ロードは引退ロードでもある。7月にはディアナ世羅町大会で現役最後の凱旋を控え、ベルトを巻いた姿を故郷のファンに見せるべく「まだベルト渡すわけにはいかない」としつつも、11年ぶりで恐らく最後となるシングル戦を「楽しみつつ勝ちたい」と意気込む。
ゴングが鳴ると約30秒におよぶ睨み合い。ゆっくりと動きだした2人は、ロックアップ、ヘッドロックの取り合い、タックルでのぶつかり合いと、この戦いの意味をじっくり噛み締めるように序盤の攻防を展開。まずは小林が世羅のお株を奪うグーで反則攻撃。足4の字で小林が絞ると世羅が反転、小林がさらに反転。エスケープした世羅に小林はセントーンを連続投下。世羅は元祖(?)グーで小林をボコボコにし、リバースカンパーナで揺さぶる。世羅が小林を踏みつけると小林は再びのグー。触発された世羅もグー!小林がお手本のように美しいミサイルキックや低空ドロップキックを軽やかに放てば、世羅はバックエルボーやセラリズムバスターで力強く応戦。しかし続くリバースニードロップをかわされた世羅は、小林のコサック脛蹴りの餌食に。世羅もグーで小林の脛を殴り、小林も脛に連続キック。子供のケンカのようでいて壮絶な脛攻めの応酬の末、Wダウンに…。カウント9で脛を押さえて起き上がった世羅と小林は語り合うようにエルボーを打ち合う。体格で勝る世羅にど根性で立ち向かう小林。重いエルボーを受けまくる。反撃のフィッシャーマンズスープレックスで弧を描き、世羅はカウント2.99で返す。世羅のエアーズロックIIは小林がカウント1で返す。小林の試合にかける思いが観客の心を揺さぶる中、電光石火のカサドーラ。ここからの変幻自在の丸め込み攻勢を王者としての意地で返し続けた世羅。抜群のスタミナで迫ってくる小林を担ぎ上げ、羅紗鋏でマットに突き刺す。もがく挑戦者を押さえきった王者が勝利をもぎ取り、V2を告げるゴングが鳴り響いた。ビッグマッチ級の好勝負を見せた2人は笑顔で抱擁したものの、小林は世羅の脛に蹴りを入れて引き上げていった…。
世羅はマイクを持ち「脛が元気ではないんですが… 私、来年の1月に引退を控えております。そんな中でベルト獲ったからには、引退までこのベルトと共にありたいと思います。まだまだまだまだチャンピオンロードをご覧ください」と、改めて引退まで防衛を続けることを宣言。続けて「世羅りさ最後の凱旋興行、ディアナとプロミネンスで合同興行を行います。7月の20日、なんと参議院選挙の日ですが…事前投票に行ってから、お越しいただけたらと思います」と町長の娘らしい言葉で(?)投票と来場を呼びかけた。
敗れた小林はバックステージで「約11年ぶりのシングルマッチでタイトルマッチ。ここは取るしかないと思ってたんですけどね。てか知ってます?不破(※ディアナ経営企画部)いねえんだけど。どういうことだよ。他団体の選手にベルト戦任せといて統括いねぇってどういうことよ? シングルマッチやらせてもらったことは感謝します、心から。しかもベルトをかけてね。ただな、不破。てめぇ覚えてろよ!」と思わぬ方向にブチ切れ。タイトルマッチがアミスタでの開催になったこと、挑戦表明から1ヶ月半の時間がかかったこと、対戦カード画像の宣材写真が古いこと、果ては当日不在の恨みをぶちまけていた。
世羅は「防衛しました。小林香萌とは11年ぶりのシングル、3度目らしいですね。 しかも私、勝ったことなかったんですよ。 三度目の正直と言いますか?私のプロレスラー史に刻まれたと思います。ありがとう。楽しかった。脛だけは許さねえけど。引退まであいつの脛を追いかけます。そして防衛したからには次の挑戦者が現れるはずなので…気長には待てないね、引退決まってるからね。チャンピオンらしく堂々と迎え撃ちたいと思います。誰でも来てください」と次の挑戦者が現れるのを待つことに。
この日はフリーランスの2人がメインを務め、他カードは全てディアナ所属。この状況に危機感を募らせ、悔しい思いをSNSで吐露する選手も…。第18代 尾﨑妹加、第19代 笹村あやめ、第20代 柊くるみ、そして第21代 世羅りさと続く外敵王者。次の挑戦者は誰だ。