【試合結果】2025年4月6日(日)アミスタ大会vol.83

第1試合 シングルマッチ15分一本勝負
NENE vs 小林香萌

試合前、まさかの事実が判明!小林のキャリアは12年、NENEの年齢は今年で12才。そしてNENEの母親は小林と同い年だという…。小林は同世代ながら全く違う人生を歩んできたNENE母に襲いかかりながらリングイン。「小学生だってよ。母親、同い年だってよ。ふざけんなよ」と文句タラタラ…。試合が始まればロックアップからの押し合いで小林が圧倒。「見たか!母親!」とNENE母への威嚇も忘れない。NENEをロープにはりつけ「ここまで来い!母親!」とNENE母をリングサイドに呼び出し、見せつけるように鼻フック!娘の鼻フックを目前に、なぜかNENE母は笑顔…だが観客席からはもちろん大ブーイング。やりたい放題の小林に「かわいそうだろ」と突っ込む53才・Himikoには「お前、仲間じゃねぇのかよ!何でそっちのセコンドついてんだよ!」。今井レフェリーも「ジジイ」扱いと、どうやら小林の前で年齢の話題はタブーらしい…(本人が言い出したのだが)。荒れ狂う小林はNENEを逆エビ固めでぐいぐい絞る。ロープを掴んだNENEはエルボーやドロップキックで突撃。小林が再び逆エビ、逆片エビで絞るがNENEは懸命にエスケープ。しかしNENEのボディスラムは上がらず、小林が三度目の逆エビ固め。これもNENEが根性でエスケープし、スクールボーイや逆さ押さえ込みなど丸め込み連発。全て返しきった小林がお手本のような美しいドロップキックでNENEを吹っ飛ばし、今度こその逆エビ固めはエスケープを許さず。リング中央でしっかり腰を落とし、ギブアップを奪った。21才から12年間、努力を重ね続けた小林の貫禄勝利だ。

第2試合 シングルマッチ15分一本勝負
〜デボラK引退ロード7〜
デボラK vs 藤田あかね

2023年5月14日、8月11日のアミスタ大会ではタッグを組んだ2人。そして8月25日のフューチャーサイトでもタッグの予定だったが、デボラは事情により欠場。そのことが「今でも悔しい」、「人柄が好き」と自身のSNSに綴ったデボラは引退ロードの相手に藤田を指名。シングルマッチはこれが最初で最後!ゴングが鳴るといきなりのタックル合戦。デボラが藤田を倒し、低空ドロップキックで場外へ蹴落とし乱闘に。客席で大暴れするデボラだったが、藤田がデボラがを壁に打ちつけ形勢逆転。デボラを客席に投げ入れ、パイプ椅子で殴打し、リングに戻っても藤田優勢は変わらず。デボラはタックルや変形極楽固めで反撃していくが、藤田もロープはりつけのタックル、変則ロープワークからタックル、串刺しタックルと体格を活かしてひたすらぶつかっていく。すると今度はエルボーの打ち合いに。藤田の重い一撃にふらついたデボラだが、スピアーで藤田をなぎ倒し、極楽固めに捕らえる。堪える藤田を自ら離すと、投げっぱなしジャーマン、バックフリップと連続攻撃。しぶとく立ち上がった藤田は気合いのヘッドバットをお見舞いし、こちらもバックフリップ。デボラもしぶとく肩を上げる。藤田の再びのヘッドバットで鈍い音が鳴り、観客はどよめき…。「ありがとな!」と感謝の気持ちを込めて、最後のヘッドバット。デボラは全く動けず、スリーカウントを聞いた。2人は抱擁してリングをあとにした。

第3試合 タッグマッチ20分一本勝負
井上京子&ジャガー横田vs香藤満月&デビー・カイテル

自身の誕生日に放送された「YOUは何しに日本へ?」で、日本のプロレスへの愛、そして井上京子への憧れの気持ちを語ったデビー。番組内では京子と戦うことを目標に、ディアナでの武者修行を直談判していたことが明らかに。そんなデビーが京子との初対戦を迎えた。コーヒーミストを警戒した京子だが、この日のコーヒーカップの中身は香藤の愛称でもある饅頭…。ミストの心配はなさそうだ。先発は京子とデビー。まずはロックアップから京子がデビーをロープに押し込む。するとデビーが体を入れ替え、京子をロープ際に追い込むと、香藤との連携で京子に襲いかかる。京子が反撃に出ると、デビーは「Kyoko san,respect…」と握手を求める。番組で見せた謙虚な姿勢、これまでのリングでの暴走ぶり、どちらを信じるべきか…。京子は握手に応じる、と見せかけてキック!デビーももちろんキック!そしてサミング!互いに視界を潰し合い、パートナーにチェンジ。香藤が大きなお腹で突進すると、吹っ飛ぶジャガー。ジャガー横田のあまり見たことない姿に場内騒然…。しかしすぐさま立ち上がったジャガーは香藤の髪を掴んで振り回し、カカト落とし。ジャガーが香藤を赤コーナーに連行し、京子にチェンジ。京子と香藤のぶつかり合いは香藤が弾き飛ばされてしまう。香藤が何度タックルしても倒れない京子。香藤は力を振り絞り、京子を青コーナーへ押し込み、香藤からデビーにチェンジ。デビーの逆水平チョップに京子はモンゴリアンチョップで対抗。デビーがオーバーヘッドキックや顔面ウォッシュ、ビッグブーツと蹴りまくるが、京子はラリアット一発で黙らせる。京子からジャガーにチェンジすると、デビーは勢いの乗ったスライディングラリアットや豪快なブレーンバスターで連続攻撃。デビーからのタッチを受けた香藤は体格を活かしたパワフルファイト。しかしボディプレスはかわされ、ジャガーの浴びせ蹴りの餌食に。今度は京子が「ナイアガラいけるかな?いけないか…」と迷いながらもナイアガラの構え。これはデビーがカットし、デビーのクロスボディに香藤のボディアタック、珈琲饅頭おんぶプレスと猛攻。デビーが懸命にジャガーを押さえるうちに、香藤がタックルでいよいよ京子を倒す。香藤がコーナーに上ると、やはり京子が追う。雪崩式ブレーンバスターで97キロの香藤をぶん投げ、香藤はリングど真ん中で大バウンド。全く動けない香藤をフォールし、京子が勝利。日本の女子プロレスのレジェンドが強さを見せつけた。デビーにとっては大きな夢と学びの一戦となったはずだ。

第4試合 タッグマッチ20分一本勝負
〜美蘭復帰戦〜
美蘭&杏ちゃむ vs Himiko&マコトユマ

昨年9月より高校受験のため一時休業していた美蘭。志望校に合格し、中学生レスラーから高校生レスラーになってリングに帰ってきた。美蘭とHimikoが先発すると、客席からは大・美蘭コール。久々の同期対決はハイスピードな攻防に。替わってマコト対杏ちゃむ。杏ちゃむは得意の関節技、マコトは磨いてきたドロップキックで向かっていく。マコト救出に飛び出したHimikoは美蘭に捕まり、マコトは自力でエスケープ。エルボーの打ち合いになると、マコトのエルボーを杏ちゃむがキックで迎撃。マコトはすかさずタックルでフォールするが2。マコトがリフトで杏ちゃむをコーナーに打ち付け、串刺しドロップキック。カウント2に終わるとマコトからHimikoにチェンジ。Himikoは勢いよくドロップキックを突き刺し、杏ちゃむはフィッシャーマンズスープレックスでホールド。Himikoが肩を上げると杏ちゃむから美蘭にチェンジ。美蘭がクリストでHimikoを捕まえるが、Himikoが振りほどいてエスケープ。逆襲のサソリ固めでギブアップ狙いのHimikoだが、杏ちゃむがキックでカット。美蘭の連続丸め込みを返したHimikoはバックドロップをお見舞いしてマコトにチェンジ。マコトはタックルやドロップキック、美蘭はスピードの乗った619と、10代の2人の攻防が白熱。杏ちゃむがマコトの動きを止めるミドルキックで好アシストし、美蘭がダイビングボディアタック。マコトのタックルにHimikoのギロチンを続け、こちらも連携が炸裂。このチャンスにマコトが飛行機投げ、ジャックナイフと連続フォールするが勝負は決まらず。自力未勝利のマコトがしつこい押さえ込みで懸命にフォールするなど奮闘するが、美蘭がカウンターのウラカン・ラナでスリーカウント。復帰戦、そして高校生としての初戦を自らの白星で飾った。

W.W.W.Dタッグ選手権試合30分一本勝負
[王者組・綾華]佐藤綾子&中森華子vs[挑戦者組・にじゅうまる]ななみ&網倉理奈vs[挑戦者組・キャプテンアームストロング]宮崎有妃&櫻井裕子
※第22代王者4度目の防衛戦

大混戦はまさかの結末…新王者誕生!

「ベルトを私が巻いて、私がディアナの中心、ディアナを背負っていくと証明したいんです。そのために、佐藤さんの持ってるタッグのベルト、挑戦させてください」──。
3.23アミスタでのメイン後、ドローに終わったがななみがマイクを持ち、佐藤に挑戦表明。佐藤のパートナー中森、ななみのパートナー網倉が不在の中での出来事だった。佐藤はななみの挑戦を受け入れたが、会社の判断は「単なるタイトルマッチにはしない。にじゅうまるはまだまだです。そこで、もう1チーム強敵を用意します」…。こうして綾華とにじゅうまるの対決にキャプテンアームストロングが加わり、まさかの3WAYタッグで王座戦が決定した。
キャプテンアームストロングは合体技「ゆうこロケット」を武器にWAVEマットで笑いと感動を巻き起こし、まさにロケットの勢いでWAVE認定タッグベルトを奪取。4.1WAVE新宿大会でSPiCEAPに敗れ陥落したが、今度はディアナのタッグ王座獲りに電撃参戦だ。櫻井は宮崎とのタッグがキャリア初の戴冠。宮崎が来年1月に引退を決めており、「さらなる進化をとげ、チャンピオンに返り咲く」と意気込む櫻井。奮闘に期待がかかる。
そのキャプテンアームストロング参戦に複雑な思いを吐露したのは網倉。師匠と慕う宮崎、同期で同門の櫻井が自身の欠場中にタッグ王者となり、網倉にとっては「大切で特別。そして私が最も意識しているタッグチーム」。綾華の持つベルトを狙う中で、「にじゅうまるはまだまだ」と試合形式の変更にも悔しさを滲ませたが、ますます燃えるカードになったことは間違いない。
クリスタル王座戴冠、そして3回の防衛を経て急成長したななみ。高校を卒業し、プロレス一本の道を歩むと決意。ななみにとって佐藤は尊敬する先輩であり、超えるべき壁だ。ディアナの未来を担う存在として大きな期待を背負ってきたななみが、ディアナの今となるべく綾華に挑む。
一度に2組の挑戦を受けることとなった王者・綾華。昨年9月の対ブルーオーキッド以降は防衛戦が組まれていなかったものの、2.14アミスタではノンタイトルながら赫覚醒と大激闘を繰り広げ、確かな強さを見せつけた。佐藤は「綾華は誰が相手でも揺るがない」「最後に立ってるのは私たち綾華」と自信をみなぎらせる。3WAY形式とあって、挑戦者組同士で決着してしまう可能性も踏まえ、パートナーの中森とは入念な作戦会議を行なったという。
中森も「防衛したら2つのタッグに勝ったという結果も残せる」と余裕を見せており、特殊ルールはあくまで実績作りのためと捉えたようだ。愛するパートナーと共に、レジェンドタッグ・W井上から奪ったベルトを簡単には渡すわけにはいかない。
6人それぞれの思いが交錯するタッグ王座戦、いよいよ開始!
ゴングが鳴ると中森、ななみ、宮崎が先発し力比べ。やはり宮崎が2人を上回るが、串刺し攻撃は中森とななみが回避。にじゅうまるが連携で中森を捕まえ、そこにキャプテンアームストロングも合体キックで割って入り、今度は綾華がWドロップキック。それぞれのチームが見事なコンビネーションを発揮する。櫻井がななみと中森をドロップキックで吹っ飛ばし、中森めがけてダッシュ。そこに佐藤がおぼんを投げつけ、綾華のサンドイッチニーアタック。このフォールは自力で返した櫻井が豪快なブレーンバスター。櫻井からタッチを受けた宮崎が両腕のラリアットで中森とななみを一掃。中森は得意のミドルキック、宮崎は力のこもったエルボーで勝負。中森を捕まえてチャンス到来の宮崎は「カメラの準備をしろ!」。ベルトがかかった大一番でも…いや、だからこそのはずかし固め!盟友の純潔を守るため(?)、佐藤が飛び出しておぼんでガード。隙だらけの宮崎ににじゅうまるが総攻撃。しかしにじゅうまるのWタックルでも宮崎は倒れず、宮崎1人で2人をぶん投げてしまう。にじゅうまる2人がかりのカニ挟みでなんとか宮崎を転ばし、合体わー!プレス。このフォールを中森がカットし、綾華の連携でにじゅうまるを蹴散らす。佐藤のおぼん攻撃をかわした宮崎は櫻井を呼び込み、ディアナマットでは初のゆうこロケット発射!宮崎のミサイルキックに押され猛突進する櫻井だったが、佐藤がおぼんで迎撃。櫻井を綾華Wバックドロップでマットに叩きつけ、Wミサイルキック発射準備…しかしここで事件勃発。この日は第3試合に出場していたデビー・カイテルが現れ、コーナー上の中森めがけてコーヒーミスト噴射!中森は怒りを抑えきれず、デビーとの場外乱闘へ。なだめる佐藤を振り切る中森、応戦するデビー…。こうしてリング上は王者組が不在に。綾華とデビーがもつれるうちに、櫻井はななみのダイビングボディプレス、網倉のダイビングセントーンを連続被弾。パートナーの大ピンチに宮崎がカットに入るが、ななみが宮崎をリング外へ蹴落とすことに成功。佐藤、中森、デビーの乱闘に宮崎が落下し、リング上に残ったのはにじゅうまるの2人、そして櫻井…。ななみのジャーマンスープレックス、網倉のWあーみんバスターが炸裂!これで網倉が櫻井を仕留めてスリーカウント!佐藤が警戒していた、挑戦者同士での決着が現実のものとなってしまった。まさかの幕切れであっけにとられる場内。そんな中、マイクをいち早く持ったのはデビーだ。「Goodbye,Hanako san.ディアナの チャンピオンは ディアナの メンバーでいい。Please go home,Hanako san.」と日本語を交えながら中森を嘲笑う。佐藤に対しては「私が、new tag partner.一緒に タッグベルトを 獲りましょう」とまさかの新パートナーに名乗り!なんと佐藤はデビーの呼びかけに応じ、握手を交わしてしまう。この佐藤の行動が綾華の亀裂を決定的なものに。中森は声を荒げ「今、ベルトなくなったんだよ!ベルトなくなって、私のことも裏切るのかお前は。最低」と佐藤に殴りかかる。取っ組み合いになった2人は裏口から会場の外へ。デビーは笑顔で「Goodbye!」と手を振りながら見送った。佐藤は3.23アミスタでは確かに「デビーさんとの新しいユニットも形にしていきます」と語っていたが…。
次に口を開いたのは宮崎。「タッグベルトを獲って、ディアナさん後楽園大会に出るつもりだったんですが。ちょっとよくわからないうちに終わっちゃって、ベルト獲れなかったんですが…ひとつ考えていたことがあります」と井上京子をリングに呼び込む。「タッグベルトを獲れなかったから、ではないんですが…京子さんの持つエリザベスのベルトに挑戦させてください」と、エリザベスへの挑戦表明!京子は「ゆっきー!嬉しいこと言ってくれるじゃん。やりたいね。お願いします」の言葉で快諾。宮崎は「京子さんとどうしてもやりたいことがあります。エリザベス選手権、ハードコアで、ぜひよろしくお願いします」と深々と頭を下げる。京子の「やりましょう!」の一言で、ハードコア形式でのエリザベス戦が決定した。妙な雰囲気で宮崎からマイクを受け取った新王者・にじゅうまる。2人に笑顔はなく、網倉は「これはちゃんと綾華に勝ってないし、ちゃんとキャプテンアームストロングに勝ってない。手放しに喜べないけど、歴史あるベルトに名前が刻まれた以上、チャンピオンにふさわしい強さを追い求め、ちゃんともう一度戦いたい。私達らしく、今までのチャンピオンと違っていいと思います。これからにじゅうまるの時代を2人で作っていこう」と勝った喜びよりもこれからの決意を力強く語った。ななみも「ベルトを素直に喜んで巻けない。悔しいです。でもこれからは防衛を重ねて個人としても強くなっていけたらと思っています。私はディアナのベルトは初めてなんですが、最初のベルトをあーみんと獲れてよかった。ありがとう」と涙。
にじゅうまるはベルトを腰に巻くことなく、肩にかけてリングを下りた。4.27後楽園では初防衛戦に臨むにじゅうまる。笑顔の初防衛なるか?なお、挑戦するのは佐藤とデビー組と発表された。まだまだ波乱の予感?!

新王者組・にじゅうまる バックステージコメント