【試合結果】2025年9月3日(水)アミスタ大会~まぼろしのVol.70~

第一試合
W.W.W.Dシングル選手権試合 30分一本勝負
[王者]梅咲遥vsクームー[挑戦者]
※第22代王者 初防衛戦

「ディアナの新人から先輩まで、全員とタイトルマッチやりたいと思います。クームーから井上京子さんまで倒してやりたいと思います」──強敵・世羅りさを破り、約1年ぶりにW.W.W.Dシングルのベルトを腰に巻いた梅咲遥。王者として、絶対センターとしてディアナを盛り上げるべくぶち上げたのは、ディアナ全員とのタイトルマッチ!ディアナ所属同士のW.W.W.Dシングル王座戦は聖地・後楽園ホールで梅咲が佐藤綾子から劇的勝利した、2023年4月29日以来。自らに課した所属全員との防衛ロードの先には、もちろん井上京子やジャガー横田ら女子プロ界の重鎮が待っている。打倒・レジェンドへの戦いの第一歩を踏み出した。
新台湾プロレスからディアナへ留学中のクームーももちろん、梅咲の宣言通りディアナの一員として挑戦権を得た。クームーは7.26フューチャーサイトでの乱入で初登場。最強のプロレスを学ぶべく、佐藤率いるInvader or Innovatorに加入。自力勝利は未だ無いものの、チームメンバーに鍛えられてきた成果を発揮する絶好のチャンスとなる。来日から約1ヶ月、そしてこの日がデビュー8戦目。早くも大一番を迎えたクームーの戦いぶりにも注目だ。
INVAの先輩・デビーに倣ってレフェリーチェックを拒否するクームーだが、タイトルマッチとあって厳格な今井レフェリー。クームーは渋々チェックを受ける…。ゴングが鳴るとロックアップからリストロックの取り合い。両者静かな立ち上がりだ。やはり経験値で上回る梅咲は、ロープの反動で走るクームーの髪を掴んで動きを止め、ヘッドロックでぐいぐい絞る。振りほどいて梅咲をロープに振ったクームーが今井レフェリーの気を引いているうちに、セコンドのHimikoが梅咲を場外へ引きずり落とす。INVA加入ですっかり反則が板についたHimiko。梅咲を観客席へ軽々投げ飛ばしていく。Himikoが梅咲をリングへ戻すと、クームーがすかさずフォール。カウント2で返した梅咲は怒りのエルボー。クームーは170センチの長身から繰り出す顔面蹴りで応戦。ここでまたもHimikoか介入し、ロープ際で梅咲を羽交い締めに。そこにクームーが突撃するが、寸前でかわした梅咲がスクールボーイ。返されても力強くブレーンバスターでマットに叩きつける。クームーは何とか返し立ち上がる。すると梅咲はしっかり助走をつけて渾身のエルボーを打ち、何とこの一撃で勝負を決めてみせた。セコンド介入もものともせず、王者らしく真っ向勝負でクームーを下した。
余裕の表情の梅咲は息ひとつ切らさず「想定通りなんで。休まず試合するとこ見たいですよね?」と休む間もなく第2試合へ突入!

第二試合
W.W.W.Dシングル選手権試合 30分一本勝負
[王者]第一試合の勝者vsシャンシャン[挑戦者]

「いいですよ、シャンシャン。出てきてください」と梅咲が呼び込むと、入場曲に乗ってシャンシャンがリングイン。シャンシャンは昨年7月7日、ディアナと女子プロレスラー育成の業務提携を結んだ新台湾プロレスからやってきた新星。大学の長期休暇時やビッグマッチでたびたび来日し、すっかりディアナの一員としてお馴染みに。現在ディアナマットを揺るがしているユニット抗争では梅咲、そして美蘭とともに打倒INVAに燃える。帰国の日が迫る中でタイトル挑戦が決まり、勝てばベルトを持って台湾へ帰ることとなる。デビュー1年2カ月にして3度目のタイトル挑戦、大金星なるか。
「クームーから井上京子さんまで倒してやりたいと思います」と公言した梅咲。一日2試合の過酷な戦いといえど、ここで躓いてはいられない。第一試合を圧倒的勝利で飾り、5分もたたぬうちに第二試合スタート!
シャンシャンはゴングと同時に連続ドロップキックで先制攻撃。梅咲をリング外へ蹴落としたシャンシャンは、トップロープから場外ダイブ!梅咲をリングへ投げ込み、鎌固めで絞る。序盤はシャンシャンが攻めまくる展開となったが、梅咲もボディスラムから連続の押さえ込みで反撃。シャンシャンをロープにはりつけ、背後からドロップキックを突き刺し、急角度の逆エビ固め。悲鳴を上げながらもロープを掴んだシャンシャンに、追撃のドロップキック。するとシャンシャンも、ディアナマットでの修行で美しく力強く進化したドロップキックで応戦。「来いよ!」と堂々受ける梅咲に次々攻めていくシャンシャン。梅咲が自身の代名詞ともいえる強烈なエルボーを打てば、シャンシャンも負けじとエルボーで鈍い音を鳴らして対抗する。それでもやはり倒れない梅咲はドロップキックを突き刺し、鮮やかにブレーンバスター。さらに梅咲の2度目の急角度逆エビ固めでシャンシャン絶叫。それでも折れないシャンシャンはド根性でロープに辿り着き、梅咲の低空ドロップキックをかわす。力を振り絞りボディスラムでフォールするも、梅咲は肩を上げる。ミサイルキック2連発、フィッシャーマンズスープレックス3連発、不意をついた連続丸め込みとシャンシャンが怒涛の猛攻。シャンシャンの成長を全て受け切った梅咲は「終わり!」とフィニッシュ宣言。梅スプラッシュを発射し、有言実行のスリーカウント。粘るシャンシャンを下し、2度目の防衛に成功だ。
梅咲はマイクで「台湾から来てくれた2人、皆さんいかがでしたか?クームーはデビューしてまだ半年も経ってないし、シャンシャンも1年ちょっと。こういうベルトに挑戦する機会とか今までなかったと思うので、こういうチャンスをモノにして、どんどん頑張っていって欲しいなと思います」とディアナの一員として戦った2人にエールを送り、「皆さんまた1日2回見たいとか言わないでくださいね…」と苦笑。梅咲遥の防衛ロードは始まったばかり。これからも厳しい戦いの続く梅咲にますますのエールをお願いします!

梅咲遥 バックステージコメント

第三試合
W.W.W.Dタッグ選手権試合 30分一本勝負
[王者組・カフェイン&クラッシュ]佐藤綾子&デビー・カイテルvs美蘭&世羅りさ[挑戦者組・ブルーオーキッド]
※第24代王者組 初防衛戦

佐藤が仕掛人となった、3大会に及ぶ次期挑戦者組決定トーメント。過酷な戦いを制し、トーナメントの頂上に辿り着いたのはブルーオーキッド。W.W.W.Dタッグへ3度目の挑戦権を手にした。相思相愛、互いを思う気持ちを武器に、三度目の正直なるか。
王者組の佐藤とデビーはタッグ結成後、確かな絆を育んできた。リングでは暴走ファイトのデビーだが、誰よりも意欲的で練習熱心。その努力を惜しまない人柄を佐藤は尊敬しているという。初タッグから約5ヶ月と日は浅いが、個々の実力と抜群の信頼関係でベルトを奪取。初の防衛戦は9.7アミスタ…のはずだったが、美蘭が事情により欠場せざるを得なくなり、9.3アミスタを緊急開催。昨年10月に施設点検のため中止し欠番となっていたアミスタ大会vol.70が思わぬ形で実現することとなった。
ゴングが鳴ると佐藤と美蘭がいきなりのエルボー合戦。そして佐藤をロープに押し込んだ美蘭が矢のようなドロップキックを突き刺す。佐藤は力強い低空ドロップキックで早くも形勢逆転。Wアームスープレックスで佐藤がフォールするもカウントは2。赤コーナーからデビーが「今井!1、2、3!」と今井レフェリーにスリーカウントを主張。佐藤が抜群のテクニックで試合の主導権を握ると、美蘭は高い身体能力を活かして素早いロープワークから大車輪。するとデビーが加勢し、ツープラトンエルボードロップ。佐藤が作った試合の流れをがっちりキープする。今度はブルーオーキッドが合体フットスタンプ。両軍それぞれ好連携を見せ、デビーと世羅のマッチアップに。デビーのクロスボディを跳ね除けた世羅がリバースカンパーナで揺さぶる。耐えきったデビーが世羅の弱点であるヒザに集中攻撃。悶え苦しむ世羅に、今度は佐藤が執拗に顔面蹴り。佐藤のミサイルキックをかわした世羅は佐藤にコンバイン。佐藤がロープを掴むと、世羅がワンツーエルボー。佐藤は顔面へキック連発。その足を捕まえた世羅がグー!勢いに乗る世羅が観客の手拍子に押されコーナーへ…。世羅は膝を負傷しながらも欠場はせず、Wニーを封印しており、美蘭が身を挺してWニーを阻止。美蘭の説得で落ち着きを取り戻した世羅に、デビーが静かに近寄りコーヒーミスト噴射!この隙に佐藤がスクールボーイ。2で返した世羅だがコーヒーを浴びて視界を失ってしまい(?)、美蘭の「世羅さん!右!」の指示通りに肘を振り抜くと佐藤にエルボーがクリーンヒット!美蘭が連続ドロップキックやダイビングクロスボディ、619で追撃。急遽の日程変更でも応援に駆けつけたファンのためにも、そして何より膝の負傷を抱えながらもリングに立ち続ける最愛のパートナーのためにも、美蘭が大奮闘。だがデビーが美蘭をエプロンで捕まえ、佐藤がフィッシャーマンズスープレックスや破壊力抜群のミサイルキック。さらにAyako’s EXで絞る。世羅がカットすると、佐藤からデビーにチェンジ。素早くトップロープに上っていく美蘭を強引に落としたデビーだったが、美蘭のクリストの餌食に。美蘭が懸命に絞り、世羅もしっかり佐藤を押さえるが、デビーは美蘭をコーナーに叩きつけて脱出。おまけに串刺しビッグブーツもお見舞いする。しかしロープ際で世羅がデビーを捕獲し、ブルーオーキッドの合体技・瓦割り!美蘭がライオンサルトでフォールするが佐藤がカット。まさに阿吽の呼吸の王者組だったが、ここで暗雲…佐藤のおぼんがデビーに誤爆してしまう。もちろん美蘭はこの機を逃さずウラカン・ラナ。このフォールをデビーが切り返し、美蘭がまた切り返し…と丸め込みの応酬となるが勝負はまだ決まらない。デビーが大ピンチを切り抜け、佐藤がジャンピングニーで今度こそ好アシスト。佐藤が世羅を封じる中、デビーエスプレッソで粘る美蘭をマットに沈めた。
輝くベルトを腰に巻いたカフェイン&クラッシュ。セコンドについていたINVAのHimikoとクームーもリングに上がり、喜びを分かち合った。
佐藤は「慕われる先輩、応える後輩、美しかったですよね。美蘭は14日、 板橋でクリスタル挑戦決まってますけど、しっかり頑張って。世羅さんも引退まで駆け抜けてください」とブルーオーキッドにエール。戦い終わればノーサイド。そんな王者の姿に万雷の拍手が送られた。
一方デビーは「世羅さん、足どうしたの? 立つのもやっとかな?かわいそうに。そして美蘭ちゃんも、結局なーんにもできなかったね。所詮その程度だ。で、ディアナのマネジメントに聞く。次は誰?誰がこの私たちに潰されたいの? 誰がこのリングで恥をかきたいの?最後に教えてあげる。たった一言よ。ガンバッテ向かってきなさい」と熱く激しくまくし立てていた…。カフェイン&クラッシュ、まだまだ暴れてくれる予感だ。

カフェイン&クラッシュ バックステージコメント