【観衆】892名
【全試合結果】
※ジャガーは他団体参戦のため欠場
※美蘭は4.18アミスタでの負傷により欠場
※永島千佳世は負傷により欠場
第0試合 NSKエンタープライズ 協賛
4vs3変則タッグマッチ 制限時間20分
マコトユマ&NENE&光芽ミリア&ビッグ春華VS小林香萌&笹村あやめ&櫻井裕子
一本目:●NENE&光芽ミリア&ビッグ春華(キャメルクラッチ)小林香萌&笹村あやめ◯&櫻井裕子
二本目:●マコトユマ&NENE&光芽ミリア&ビッグ春華(10分39秒 片エビ固め)小林香萌◯&笹村あやめ&櫻井裕子
※ミサイルキック
※この試合は 若手軍4人 対 先輩軍3人で行われ、若手軍は2本、先輩軍は1本取られたら負け。また、先輩軍が制限時間内に2本取ることができなかった場合、先輩軍の負けとなる変則ハンディキャップマッチ
特殊ルールマッチで後楽園大会スタート!
若手軍と先輩軍の特殊ルールマッチで後楽園大会スタート!若手軍はキャリア1年半のマコトが1番先輩という、超フレッシュな顔ぶれ。若手軍はゴングを待たず笹村に突撃。4人に取り囲まれても冷静に対処する笹村。キャリア12年の小林は12歳のNENEに反則攻撃で大ブーイング。若手軍は櫻井を捕まえ集中砲火。光芽が鋭いミドルキックを浴びせ、ビッグがその名の通りビッグな体でエルボードロップ。櫻井とビッグがそれぞれ笹村、NENEにチェンジすると笹村が光芽を、蹴散らしながら圧倒。NENEのクロスボディを受け止めボディスラムに切り返してキャメルクラッチ。櫻井と小林の2人で若手軍3人をしっかり押さえ、NENEからギブアップを奪った。とはいえ特殊ルールでまだ一本残っている若手軍。光芽が小林を蹴って蹴って蹴りまくり、マコトもドロップキック連発。それでも倒れないのがキャリア12年!マコトの丸め込みや飛行機投げも全てカウント2。両軍入り乱れた末、リング上に残された若手軍はマコト1人に。小林が美しいフォームのミサイルキックを発射し、二本目のスリーカウント。先輩軍は余裕の表情で引き上げていった。今は新人でも、12年後には小林のように強くなっているはずだ。頑張れ、若手レスラー!
バックステージコメント 小林、笹村、櫻井
第1試合 季彩デボラK後援会 、 株式会社雷光 協賛
デボラ引退試合 20分一本勝負
デボラK VS井上京子
●デボラK (7分26秒 体固め)井上京子◯
※ラリアット
デボラK、笑顔で引退!ラストマッチで京子と激突
1.26アミスタ大会からスタートしたデボラK引退ロード。ディアナの社長・井上京子とのシングルでいよいよ現役ラストマッチだ。デボラは京子から譲り受けたガウンを纏い、ファンの大声援を背に登場。このカードのみ紙テープが解禁されており、京子には赤と黄色、デボラには白の紙テープが舞う。ゴングが鳴ると大「デボラ」コール。ロックアップからの押し合いはやはり京子に軍配。気合を入れ直しもう一度力比べ。ファンの手拍子を力に変えて、どうにか京子をロープに押し込む。そして2人はタックル合戦。何度もぶつかり合い、スピアーで京子をなぎ倒したデボラは低空ドロップキックやスライディングラリアットで追撃。さらに極楽固め、胴締めスリーパーでギブアップ狙い。京子が顔を歪めながらも足をロープに伸ばしてエスケープ。デボラの猛攻は続き、ロープにぶら下がっての極楽固め。これはレフェリーの反則カウントでストップし、京子はコーナー上のデボラを雪崩式ブレーンバスターでぶん投げる。リング中央で大きくバウンドしたデボラだが、立ち上がって京子の胸にエルボー連発。京子はショートレンジラリアット一発でデボラを倒してみせるが、デボラはプロレスラーとしての最後の力を振り絞って立ち上がり、111キロの京子を担いでバックフリップ。このフォールは肩を上げた京子がタックルでデボラをふっ飛ばす。覆いかぶさる京子を弾き飛ばすようにキックアウトするデボラ。しかしデボラをロープにはりつけた京子は「終わり」を宣告。勢いよく助走をつけて豪快なラリアット!倒れたデボラはついに返せず、今井レフェリーがマットを3回叩いた。京子の勝利テーマが流れる中、2人は笑顔で抱擁。京子は深々と頭を下げて引き上げ、デボラ引退セレモニーへと移る。
デボラはリングアナウンサーが読み上げる自身の経歴を聞きながら、レスラー人生に思いを馳せていた。マイクを受け取り、現役プロレスラーとして最後のご挨拶。「今日は誠にありがとうございました。私が最初にプロレスを脱走したのが2003年の9月、後楽園ホール大会でした。その日のメインで井上京子代表と井上貴子さんがタッグベルトを巻いたことが記憶に残っています。脱走したままなら引退式なんかできなかった。逃げてしまった後楽園ホールで、20年以上の時を経て引退試合をさせていただいて、ありがとうございます。プロレスラーになったこと、たくさんの皆様と出会えたこと、大切な仲間ができたこと、自分の誇りです。ディアナは10代から60代までが所属する団体ですが、30代がもうすぐいなくなるので、プロレスやってみようと思う30代の方はディアナに来てください。楽しく厳しく、良い団体なので、これからもディアナのファンとして応援していきたいです。何より井上京子代表には私のことを一生面倒見ていただかいといけないのでよろしくお願いします!この後の試合も楽しんでください」と、全日本女子プロレス時代を振り返りつつ、ディアナへの思いを語り、笑顔でマイクを置く。10カウントゴングが打ち鳴らされ、「167センチ、77.7キロ。埼玉県さいたま市出身。難攻不落の白い山脈、デボラK!」と力強いラストコールの後、雨女のデボラらしく(?)白い紙テープの雨を浴びた。噛みしめるように一発受け身を取り、最後まで笑顔で手を振りながらレスラー人生の幕を閉じた。
☆デボラK:1985年12月16日、埼玉県さいたま市出身。167 cm、77.7kg。
全日本女子プロレスに2002年入門、翌年7月6日、川崎市体育館において対ジャガー横田戦でデビュー。当時のリングネームは本名の廣瀬桂子。ほどなくフェードアウトしてしまうが、2016年に「レフェリーをしないかと話をいただいた。練習を見ていたらやりたくなった」ことにより、プロレスラー・デボラKとして再びプロレスの世界へ。2019年に所属団体の神姫楽プロジェクトが解散し、以降はフリーとして活動。全女の先輩・佐藤綾子の試合を観戦したことがきっかけでディアナへ参戦するようになり、2021年10月のディアナ後楽園大会で入団を発表。2022年1月1日より所属選手となった。思い出の試合に2022年8月15日、念願の佐藤綾子との初シングルや、2023年1月21日カルッツかわさき大会での井上京子&デボラK vsアジャコング&米山香織を挙げた。デボラにとってディアナは「10代から60代まで所属する唯一無二の団体。皆が優しく、明るく楽しく時に厳しく過ごせる素晴らしい環境だった」と振り返る。引退の理由については「大怪我をしてる訳でもなくプロレスはまだやりたかったので一生悔いは残ります」と前置きし、母の介護など家庭の事情によって決意したことを明かす。今年1月の新木場大会で突然の引退発表。以降約3ヶ月の引退ロードを駆け抜け、プロレスの聖地・後楽園でプロレスラー人生に終止符を打った。
第2試合 ラウンジバー アンテロープ 協賛
スペシャル6人タッグマッチ 30分一本勝負
Himiko&香藤満月&シャンシャンVSまなせゆうな&尾﨑妹加&本間多恵
Himiko&●香藤満月&シャンシャン(12分37秒 新世界)まなせゆうな&尾﨑妹加&本間多恵◯
絆の力を見せつけろ!ディアナ軍vsガンバレ☆SPiCEAP
新台湾プロレス所属のシャンシャンにとって、後楽園ホールは大きな夢。ディアナではこれまで本拠地アミスタの他、京都や群馬、新木場などに参戦していたが、日本への留学は大学の長期休暇期間に限られていた。そのシャンシャンが香藤のラブコールを受け、後楽園ホール大会参戦のため来日!すっかりディアナの一員としてお馴染みになったシャンシャンは香藤満月、そしてHimikoとともにトリオを結成。Himikoも「ディアナ所属の絆で勝利します」と意気込む。
対角の3人もまなせゆうな、尾﨑妹加、今年10月に引退する本間多恵とディアナでお馴染みのメンバーとなった。ディアナの3人と元・アクトレスガールズの3人がぶつかり合う!
まずは大きな体がウリの香藤とまなせがタックル合戦。ド迫力バトルで会場を沸かせる。HimikoとシャンシャンがWカニ挟みでまなせを転ばし、香藤がボディプレス。お次はディアナ軍でトレイン攻撃。両軍チェンジしシャンシャンと本間のマッチアップ。シャンシャンが軽やかなドロップキックを突き刺せば、本間は得意のサブミッション。それぞれの持ち味を活かした攻防となる。本間がシャンシャンを青コーナーに連行し、「ガンバレ☆SPiCEAP」の3人がかりでシャンシャンをいたぶる。シャンシャンは尾﨑へのスタナー、スイングDDTでピンチを切り抜けHimikoにチェンジ。Himikoはブルドッギングヘッドロックに、香藤との合体プレスと躍動。尾﨑はパワーファイターらしくアルゼンチンバックブリーカーや串刺しラリアットで逆襲。尾﨑のダイビングセントーンをかわしたHimikoはギロチンを投下。カウント2に終わりWアームは上がらずも、高角度バックドロップで尾﨑をマットに叩きつける。Wダウン状態からされぞれ香藤、本間にチェンジ。香藤が本間にボディプレス連発で95キロの体を何度も浴びせていく。本間はやはり関節技で香藤の動きを止め、両腕をクラッチされてしまった香藤は懸命に足をロープに伸ばす。しかしブレイクした先先でのSPiCEAPの合体619の餌食に。SPiCEAPが香藤を捕まえると、ディアナ軍はシャンシャンのフィッシャーマンズスープレックスにHimikoのダイビングギロチンでピンチをチャンスに変え、香藤が本間にダイビングボディプレスで圧殺!まなせがカットに飛び込み、シャンシャンとHimikoをラリアットで一掃。またしてもピンチの香藤はクロスボディで自力で窮地を脱する。1人で本間に向かっていく香藤だったが、本間が変形スクールボーイの「新世界」でクルリと丸め込んで勝負を決めた。
まなせのガンバレ魂に惚れ込んだHimikoは再戦を要求。勝ったガンバレ☆SPiCEAPは手応えを語り「オファーお待ちしてます!」。まなせもHimikoに「試合しましょう!ガンプロでもいいよ」と回答。新たな展開に期待大だ。
バックステージコメント まなせ、尾﨑、本間
第3試合 プオタス 協賛
クリスタルトーナメント決勝戦 30分一本勝負
ソイVS炎華
●ソイ(12分19秒 ぐるんちょ)炎華◯
※炎華が第2代W.W.W.Dクリスタル王者となる
新クリスタル王者誕生!炎華が二冠王に
クリスタルティアラを巡るトーナメントはいよいよ決勝戦。ディアナからは3名の所属選手がエントリーしていたが、決勝はWAVE所属の炎華、Evolution所属のソイによって争われることに。炎華にとってはPOP王座との二冠を目指す戦いだ。
まずはロックアップからソイが一気にロープへ。再び組み合い、またもソイが押していくがロープの手前で炎華が体を入れ替え、クリーンブレイク。今度はソイがヘッドロックでぐいぐい絞り炎華の脱出を許さない。ロープの反動を使ってもソイのロックは解けず、ならばと炎華はソイの足を踏みつけ、ソイが痛がる隙にようやく解放。しかしソイがカウンターのタックルで炎華を倒す。ソイのフォールをブリッジで返した炎華だが、クロスボディを浴びせても受け止められてしまう。ソイが炎華をコーナーに振っただけで、勢いよくコーナーマットに激突した炎華は大ダメージ。炎華を軽々とボディスラムでマットに叩きつけたソイが逆エビ固めで絞ると炎華はド根性でロープを掴む。ソイの怪力に苦戦する炎華はスピードを活かしてドロップキックを突き刺し、今度こそクロスボディ。炎華が「行くぞ!」と絶叫すると客席からは手拍子が発生。しかし炎華得意のスペースローリングエルボーはかわされてしまい、ソイのタックルを受ける。ソイがの試合のペースをがっちり握る展開が続くが、炎華はSTFで厳しく絞って反撃。エスケープしたソイが力いっぱいのエルボーを打てば炎華はドロップキック。ソイのパワーと炎華のスピード、それぞれの個性が光る攻防に。変則的な動きから再びSTFでソイを捕獲した炎華。エスケープされても今度こそのスペースローリングエルボー、ミサイルキック2連発を放った炎華はもう一度コーナー上へ。ソイがデッドリードライブで投げ落とし、2人はエルボーの打ち合いで火花を散らす。ソイのパワーに対し、炎華も小柄ながら力強いエルボーを打つ。ソイの逆水平チョップは胸を張って受けきり、続く逆エビ固めも「負けるか!」とプッシュアップしロープに手を伸ばす炎華。ソイは炎華を引きずってリング中央へ。ソイが腰を落とすと炎華は大ピンチ。それでもPOP王者としての意地が、ファンの声援が炎華をロープへ導く。炎華はぐるんちょで丸め込むがカウント2。ソイの突進をかわしてのジャックナイフもカウント2。しぶとく粘るソイに、炎華もしぶとく再びぐるんちょで丸め込む。暴れるソイだったが炎華がしっかり抑えて肩は上がらず。二冠へのスリーカウントを奪った。第2代W.W.W.Dクリスタル王者の誕生となった。
バックステージコメント 炎華
第4試合 昭和サービス 協賛
スペシャルシングルマッチ 30分一本勝負
井上京子 vs 宮崎有妃
●井上京子(12分33秒 体固め)宮崎有妃◯
※直伝デスバレーボム
※挑戦者・永島千佳世が欠場となり、エリザベス選手権からノンタイトルシングルマッチに変更。ハードコアルールで行なった
壮絶ハードコアで京子撃沈…
4度目のエリザベス防衛戦…の予定だったが、挑戦者の永島千佳世が負傷により欠場となり、京子と宮崎によるハードコアシングルマッチに変更。このルールを持ちかけたのは挑戦者の宮崎有妃。来年1月での引退が決まっている宮崎だが、最後まで打倒京子に燃える。宮崎はかつて、京子とともに「NEO女子プロレス」に所属。2人は互いに「大好き」「試合できるのが嬉しい」と話す相思相愛の間柄だ。宮崎はハードコアを得意としているが、京子はこのルールから長らく遠ざかっており、「どうしてもやりたい」と提案した宮崎自身も「京子さんはこういうの好きじゃないって分かってます」。京子にとっては、ディアナ旗揚げ14年を祝うビッグマッチにして相手の土俵に上がることとなった。
京子が入場すると宮崎はパイプ椅子を投げつけ、早くも場外乱闘勃発!京子は客席でパイプ椅子まみれにされてしまう。さらに宮崎はテーブルの上に京子を寝かせ、トップロープからのダイブでテーブルクラッシュ!京子は早くも大ダメージを追う。京子が倒れている間、元気な宮崎はリングにパイプ椅子を準備。その上に京子をブレーンバスターでぶん投げる。その上に今度はラダーをブレーンバスターでぶん投げ、京子は大ピンチに。そして宮崎が将棋盤を設置するが、京子のラリアットで宮崎が将棋盤の上に倒れてしまう。背中を強打した宮崎だがカウント2で返し、京子も将棋盤の刑に。さすがハードコア慣れしているだけあり、次々とアイテムを使いこなし京子を追い詰める宮崎。京子の上にパイプ椅子を乗せて、ムーンサルト発射!京子は瀕死になりながらもスリーカウントは許さず。京子も椅子やテーブルで宮崎を殴打し逆襲。リングの中央に椅子を集め、そこにめがけて雪崩式ブレーンバスターで宮崎を投げ落とす!さすがに悶える宮崎だが、京子のフォールを2で返す。京子はラリアットでまたも椅子の上に宮崎を倒すが、今度は宮崎が直伝デスバレーで京子を椅子だらけのマットに突き刺す。大・京子コールが発生しファンが京子を後押しするが、宮崎はデスバレーをさらに3発!稀代の天才・井上京子でも全く動けず、宮崎がスリーカウントを奪った。戦い終わればノーサイド。京子はふらつきながらも、宮崎の勝利テーマに合わせて「ブリシスダンス」を披露!京子と宮崎のブリーフシスターズという夢の共演にファンは大歓声を上げる。先に引き上げていく京子の背中に深々と頭を下げた宮崎。バックステージでは「京子さんに勝てたのは2回目。楽しかった。京子さん大好きです」。京子への愛はますます深まったようだ。
バックステージコメント 宮崎
第5試合 セミファイナル N’sCAFE 協賛
W.W.W.Dタッグ選手権試合 60分一本勝負
[王者組・にじゅうまる]羽多乃ナナミ&網倉理奈VS佐藤綾子&デビー・カイテル[挑戦者組・コーヒースプラッシュ]
[王者組・にじゅうまる]◯羽多乃ナナミ&網倉理奈(16分37秒 ジャーマンスープレックスホールド)佐藤綾子●&デビー・カイテル[挑戦者組・コーヒースプラッシュ]
※第23代王者組初防衛に成功
※ななみがこの試合より羽多乃ナナミに改名
にじゅうまる、新王者から真の王者へ…笑顔の初防衛
4.6アミスタでの王座戦では「単なるタイトルマッチにはしない。にじゅうまるはまだまだです。そこで、もう1チーム強敵を用意します」と、綾華vsキャプテンアームストロングvsにじゅうまるの3WAYタッグ形式となり、デビー乱入の隙を突いてベルトを奪ったにじゅうまる。だが「ベルトを素直に喜んで巻けない」「ちゃんと綾華に勝ってないし、ちゃんとキャプテンアームストロングに勝ってない。手放しに喜べない」と悔しさをあらわに。以降、後楽園大会までの前哨戦を含む2試合は快勝で勢いをつけて初防衛戦に臨む。にじゅうまるにとっては真価を問われる戦いとなる。
その相手はまさにタイトルマッチをぶっ壊した張本人のデビー・カイテル、そしてデビーの乱入によってベルトを失うこととなった佐藤綾子。デビーとの共闘により、盟友の中森華子からは「綾華終了」を突き付けられた佐藤だが、中森を裏切るつもりはないと話す。この日は中森とお揃いで制作した赤いコスチュームを着用して入場した。デビーはレフェリーが受け取ったベルトを横取りしようとし、レフェリーチェックは目視のみ許可するなどいつもの調子。佐藤とのタッグ名は「コーヒースプラッシュ」に決定したようだ。
まずはリングネームを改め、コスチュームとガウンも一新しイメージチェンジしたナナミ、挑戦者組からは佐藤が先発。じっくりと、探り合い確かめ合うような静かなグラウンドの攻防。実力者のベテラン・佐藤にナナミが必死に食らいつき、網倉が割って入りWわー!プレス。それでも冷静に試合を立て直す佐藤。サミング、ヘアホイップ、低空ドロップキックですぐさま試合の流れを取り戻しデビーにチェンジ。この日初めて後楽園のリングに立ったデビーは、挨拶代わりの串刺しWニー。続けて低空ドロップキックでナナミを場外に落とし、大暴れ。狂乱ファイトをファンに見せつけ、ナナミをリングに戻す。ナナミは正統派プロレスで真っ向勝負に出る。しかしデビーがナナミを転ばし、佐藤がおぼんの達人でナナミの顔面狙い。凶器攻撃にもめげず、ナナミは投げっぱなしノーザンライトスープレックスをお見舞いして網倉にチェンジ。網倉は佐藤とデビーの連携を阻止してセントーンを落とす。デビーとの一対一になると、デビーは突然腰を押さえて起き上がれなくなってしまう。狼狽える網倉…。デビーの腰痛はもちろんブラフ!近づいてきた網倉をロープにはりつけて膝蹴り。ナナミも網倉のとなりにはりつけ、2人まとめて背後からのクロスボディを浴びせる。今度は佐藤がミサイルキック2連発。豪快に吹っ飛んだ網倉だが、カナディアンバックブリーカー、キャノンボールとパワフルファイト。セントーンはかわされたものの、佐藤のカサドーラを持ちこたえジャーマンに切り替えしてみせる。それでも立ち上がった佐藤は鮮やかにジャパニーズレッグロールクラッチ。網倉は自力で返し、ナナミにチェンジ。ナナミは勢いよくボディアタック。続く裏投げの構えを振りほどいた佐藤が投げっぱなしジャーマン。フォールを許さず雄叫びをあげて立ち上がるナナミ。今度こそのダイナミックな裏投げで佐藤をマットに叩きつける。この攻防で消耗した2人はWダウン。玉川レフェリーのダウンカウント、そしてファンの手拍子の中同時に立ち上がる両者。佐藤がジャーマンでがっちりホールドするがナナミが肩を上げカウント2。「決めるぞ!」と感情をあらわにした佐藤がフルネルソンでナナミを捕獲。必殺のドラゴンスープレックスの構えだ。ナナミは暴れて脱出するとスリーパーで佐藤を絞め落としにかかる。デビーがドロップキックでカットし、さらに佐藤のドラゴンスープレックスを好アシスト。ナナミのピンチに網倉が飛び出してカット。佐藤が網倉のバックを取り、デビーが珈琲毒霧を噴射!しかし網倉がかわし、浴びたのは佐藤…。この隙に網倉が佐藤にサイドスープレックス、ナナミはデビーに新技・デスバレードライバー。網倉がデビーにダイビングセントーン、ナナミが佐藤にダイビングボディプレスと、にじゅうまるのコンビネーションが炸裂。網倉がデビーの排除に成功し、ナナミが佐藤のバックを取る。佐藤はカサドーラに切り返すが、ナナミはクラッチを離さずもう1回転。そこに網倉がラリアットで突撃し、その勢いを利用してナナミがジャーマンスープレックス!形を崩しながらも懸命にホールドし、スリーカウント。先輩超え、そして前王者の佐藤から本当の勝利。「ベルトを獲ったのはまぐれだと思われたくなかったから、勝ててよかった。勝てたのは隣にあーみんがいたからで、佐藤さんにもデビーにもシングルではスリーを取れる自信が正直なくて。でもあーみんと勝てたから、今度はシングルでも勝てるように、ベルトと一緒に成長していきたい」と大粒の涙をこぼしたナナミ。網倉は「もうまぐれなんて言わせない。正真正銘のチャンピオン、にじゅうまるです!」。初防衛を経てようやく王者としての実感を得た2人は笑顔を見せた。
バックステージコメント にじゅうまる
第6試合 メインイベント ストンピン 、まるしかく 協賛
W.W.W.Dシングル選手権試合 60分一本勝負
[王者]世羅りさVS梅咲遥[挑戦者]
[王者]◯世羅りさ(17分19秒 片エビ固め)梅咲遥●[挑戦者]
※ダイビングWニードロップ
※梅咲遥復帰戦
※第21代王者初防衛に成功
絶対センター復活祭はベルト奪回ならず…
昨年12月より、負傷(右肩鎖関節脱臼 烏口鎖骨靱帯断裂)のため欠場していた梅咲遥。欠場中は照明、受付、大会プロデューサー、アイドル…と選手以外の立場から団体を支えた。リングアナウンサーと音響を務めた3.9アミスタで世羅りさのW.W.W.Dシングル初戴冠を本部席から見届け、世羅が「挑戦してくる奴、名乗り出てこいよ」と煽ると、梅咲が本部席を離れリングイン。後楽園大会での復帰、そして「ただの復帰戦にしたくないんで。そのベルトに挑戦させてください」と挑戦を表明した。復帰のお祝いに自分でベルトを獲ってやりたいと語る。後楽園大会は「絶対センター復活祭」としてYouTubeでは「ブラストでスリーカウント取ってみせます」と決め技まで予告してみせた。昨年8.15アミスタでW.W.W.Dシングル王座を尾﨑妹加に明け渡した梅咲。以降は他団体所属やフリーランスの戴冠が続き、この流れを自ら食い止め、センターとしての存在感をアピールしたいところだ。
外敵王者・世羅りさはプロミネンスで活動を共にする柊くるみを破ってベルトを奪取。「プロミネンスでベルトを回したい」「美蘭ちゃんや他のディアナの選手ともやりたいので梅咲遥を乗り越えていきたい」と展望を語り、梅咲については「復帰戦で挑戦してくるって、だいぶ世羅のことナメてくれてると思うので叩き潰す」。4.24プロミネンス興行にて来年1月での引退を表明した世羅だが、まだまだ気力体力ともに充分。今年7月には広島県世羅町大会を控えているだけに、ベルトを持って最後の凱旋を迎えるためにはここで負ける訳にはいかない。
梅咲がガウンを脱ぐと、右肩にはテーピング。観客席からはざわめきが起こるが、かき消すように梅咲の先制攻撃。鮮やかなドロップキックで世羅を蹴落とすといきなりの場外ダイブ!復帰を待ちわびていたファンに元気な姿を見せた。だが、世羅が梅咲の右肩を容赦なく攻めると試合の流れは一変。あの手この手で、反則や凶器攻撃も交えながら梅咲の肩をしつこく狙う世羅。梅咲の右腕をロープにかけ、右肩めがけてバックエルボー。思わず倒れた梅咲だったが、センターの意地でエルボーを打つ。さらにランニングネックブリーカー、フットスタンプ、ブレーンバスター、ドロップキックと攻勢に。しかし攻めてはいても痛みをこらえる梅咲。世羅はまだまだワキ固めやアームロックでいたぶり、エアーズロックIIでフォール。意地でカウント1で返した梅咲はカウンターのキューティースペシャル。梅咲がエルボーを打っても本来の力はなく、世羅は笑みを浮かべる。世羅がワンツーエルボーを打つと、いよいよ火が付いた梅咲はローリングエルボーで世羅をふらつかせ、渾身のエルボーで倒すと追撃の梅スプラッシュ。2で返されるとラ・マヒストラルや逆さ抑え込みで丸め込んでいくが、世羅は巧みに切り返し、キックアウトする。ジャーマンスープレックスは返され、ブラストは封じられ、いよいよピンチの梅咲。それでも痛む腕でエルボーを打ち続け、最後まで諦めない姿勢を貫いたが、羅紗鋏からダイビングWニードロップを被弾し力尽く。全く動けないまま試合終了のゴングを聞いた。絶対センター復活祭は敗戦に終わり、外敵王者の防衛を許してしまう。
世羅は「怪我する前と変わらない梅咲遥を見せてくれた…の、かな?満足いってない顔じゃねーか。まだ引退まで時間あるから、最後と言わずまたやりましょう」と来年1月までの再戦を誓った。そして「次の挑戦者は誰にしようかな〜…」と会場を見渡していると、第0試合に出場していた小林香萌の姿が!小林によると世羅とのシングルは何と11年前に遡るという。「当時は私達は若手で、色んな経験して今だからこそシングルマッチをやりたい。私達のシングルにふさわしく、ベルトをかけて!どうですか!」と世羅に問いかける。世羅の「やるしかないでしょう!」の一言で小林の挑戦が決定!できるだけ大きな会場でタイトルマッチをやりたいと希望する小林はスマホを取り出しディアナ公式HPのスケジュールをチェック。ところが地方大会以外はディアナ道場・アミスタで開催されるのみで、小林のお眼鏡にかなう会場はナシ!「アミスタばっかりじゃねーか!どうなってんだディアナ!」。結局「この際どこでもいい」ということで、日時は決定次第ディアナから発表する運びとなった。アミスタで開催される可能性もあるが、ファンにとっては11年ぶりのなんだかエモいシングルを間近で見れるチャンス。満足した小林は引き上げていき、世羅も「所属じゃないので退場します。復帰戦だった梅咲が締めたらいいんじゃないの」とマイクを梅咲に渡してリングをあとにした。梅咲は「ディアナのシングルベルトはそう甘くないと改めて再確認できたので、今日から再スタート。応援よろしくお願いします」と涙ながらに語った。最後は井上京子がディアナの選手をリング上に呼び込み、旗揚げ14周年のご挨拶。15周年に向けての決意、そして来場したファンへの感謝を述べて春のビッグマッチを締めくくった。